財務省は20日、8月分の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7,541億円の赤字となったことが分かった。赤字は2カ月連続で、対中国および対EU向け輸出の低迷が影響したとみられる。

8月分貿易統計(速報)(出典:財務省Webサイト)

輸出額は前年同月比5.8%減の5兆459億円で、3カ月連続の減少。品目別では、鉱物性燃料が同31.4%減、船舶が同28.4%減、鉄鋼が同8.3%減などとなっている。

輸入額は前年同月比5.4%減の5兆8,000億円で、2カ月ぶりの減少。品目別では、原粗油が同8.5%減、非鉄金属が同3.14%減、石炭が同20.3%減などとなった。

地域別に見た場合、対米国は、輸出額が前年同月比10.3%増の8,869億円、輸入額が同0.1%減の5,040億円で、3,830億円の黒字。輸出では、自動車の部分品が同39.5%増、建設用・鉱山用機械が同60.7%増だったのに対し、鉱物性燃料が同52.3%減少した。輸入では、航空機類が同61.3%増、肉類が同14.5%増、穀物類が同31.1%減、医薬品が同21.0%減となっている。

対EUは、輸出額が前年同月比22.9%減の4,779億円、輸入額が同2.1%増の5,742億円で、962億円の赤字。輸出では、自動車が同37.5%減、船舶が同全滅、金属加工機械が同44.6%減少した。輸出では、自動車が同22.2%増、有機化合物が同13.9%増、科学光学機器が同19.6%増となった。

対アジアは、輸出額が前年同月比6.7%減の2兆8,397億円、輸入額が同5.8%減の2兆5,269億円で、3,128億円の黒字。輸出では、金属加工機械が同34.8%増加したが、鉱物性燃料が同32.7%減、有機化合物が同16.7%減、鉄鋼が同7.6%減少した。輸入では、音響映像機器(含部品)が同38.1%減、電算機類(含周辺機器)が同13.8%減、鉄鋼が同25.5%減となった。

対中国は、輸出額が前年同月比9.9%減の9,663億円、輸入額が同7.3%減の1兆2,082億円で、2,419億円の赤字。輸出では、金属加工機械が同28.1%増加した一方、原動機が同42.4%減、鉄鋼が同20.7%減、有機化合物が同16.9%減少した。輸入では、音響映像機器(含部品)が同39.5%減、電算機類(含周辺機器)が同15.7%減、衣類・同付属品が同5.4%減となった。