Appleが先日発売した「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」について、詳細な設定ガイドを6月26日(米国時間)に公開した。このガイドの内容から、MacBook ProでRetinaディスプレイがどのように実装されているのかをみていこう。なお、以下で紹介する画面写真はすべて英語環境に基づくものなので、その点はご了承いただきたい。
Retina Displayの5段階の表示モードと対応アプリ
MacBook Pro Retinaディスプレイモデルでは、従来の15インチMacBook Proが持つ1,440×900ピクセルの解像度の4倍にあたる2,880×1,800の解像度により、文字のより精細なアンチエイリアシングや画像の細密表示など、Retinaクラスの表示を実現している。一方でこの解像度の高さを使ってより多くの文字や情報を表示したり、逆に、さらに文字サイズを大きくして美麗度を向上させることも可能だ。設定を行うには、「システム環境設定」の「ディスプレイ」項目を開き、下記の画面で望む設定を選択すればいい。
この画面写真で「スペースを拡大」(「More Space」)にすると、表示されるテキスト量を増やすため文字を粗く小さくする。「文字を拡大」(「Larger Text」)を選ぶと文字サイズは大きく美しくなるが、一画面に表示できるテキスト量は少なくなる |
なおAppleによれば、同社の提供するアプリケーションはOS X Lionを含め、すべてRetinaに対応しているとしている。具体的にはMail、Safari、iCal、Address Book、iChat、FaceTime、Photo Booth、TextEditの標準アプリケーションと、iPhoto、iMobie、iTunes、Aperture、Final Cut Pro X、Motionなどのアプリケーションが対応しているようだ。
Retinaでのアプリケーション実行に関するトラブルシューティング
すでにRetinaに対応済みのアプリケーションがある一方で、既存アプリケーションの多くはまだRetina未対応だ。ゆえにAppleではパフォーマンス低下や実行の不具合に関するトラブル回避のために、これらのアプリケーションを低解像度モードで動作させることを推奨している。もし実行中のアプリケーションにRetina関連で不具合がみられたと思った場合、以下の手順で回避できる。
- 実行中のアプリケーションを閉じる(ショートカットは「Command」+「Q」)
- Finderを呼び出して「移動」→「アプリケーション」を選択 3.アプリケーションフォルダが開いたら、当該のアプリケーションのアイコンを選択した状態で「情報を見る」を呼び出す(「Command」+「I」)
- Fileメニューの中で「低解像度で開く」にチェックをつける
Appleによれば、デフォルトではこのチェックボックスにチェックが入っている状態だが、もし実行に不具合があるようならばいちど項目を確認して、チェックを入れてから実行してほしいという。ユーザー自身が試行錯誤でどちらを選ぶのか判断するのも手だ。
解像度変更と内蔵/外部ディスプレイ
MacBook Pro Retinaディスプレイモデルでは解像度や外部ディスプレイに関する設定項目にいくつか変更がみられる。特にミラー表示が可能な外部ディスプレイを導入した場合、先ほどのディスプレイの設定項目に「外部ディスプレイに合わせる」「内蔵ディスプレイに合わせる」「スケール」の3種類の選択肢が出現する。
ミラー表示が可能な外部ディスプレイを導入した場合、解像度の設定で「外部ディスプレイに合わせる」(「Best for external Display」)、「内蔵ディスプレイに合わせる」(「Best for built-in display」)、「スケール」(「Scaled」)の3つの選択肢があらわれる |
3つめの「スケール」は、パフォーマンス低下を招く可能性があるので注意が必要だが、これで適宜調整することが可能だ。3Dゲームなどでは解像度設定をアプリケーション内で直接指定するケースが多いが、その場合まず「1,440×900ピクセル」を選択するようAppleでは推奨している。またMacの設定メニューで本来選べるはずの解像度が項目に出現しない場合、「Option」キーを押しながら操作することで対応できるという。
Boot Camp+Windows 7でRetinaディスプレイを使う
MacBook Pro Retinaディスプレイモデルでは、Bootcamp+Windows 7の環境でRetinaの利用も可能だ。詳細はAppleが公開しているドキュメント(PDF文書)を参照してほしい。なお、標準状態では解像度をフルに使った非常に細かいアイコンや文字がWindows上で表示されてしまうが、Appleのサポートソフトウェアを導入することで「144DPI (150%拡大)」モードに設定し、Windowsに適切な表示を行える。