JR東日本は3日、首都直下地震に備えた耐震補強対策と地震観測体制のさらなる強化を図るため、約2,000億円の対策の実施を決定したと発表した。同社は今年3月、約1,000億円の投資を行うと発表しており、耐震補強対策の総額は約3,000億円となる。

御茶ノ水駅付近では約1.2kmにわたり盛土の耐震補強が行われることに

今回の決定では、これまでに取り組んできた新幹線および在来線の橋脚の耐震補強を前倒しするほか、首都直下地震に備えた盛土、レンガアーチ高架橋、電化柱などの耐震補強、駅・ホームの天井と壁の落下防止対策にも着手する。

南関東エリアにおいては、新幹線の橋脚約680基、在来線の橋脚約1,090基が耐震補強の対象に。また、山手線や中央線、常磐線、総武線、京葉線、東海道線など9線区が盛土・切取・レンガアーチ高架橋などの耐震補強対策線区となる。神田川沿いを走る中央線御茶ノ水駅付近では、約1.2km(昌平橋付近から水道橋付近まで)にわたり盛土の耐震補強が行われる。南関東エリアの工事費は約1,840億円。

仙台等エリアやその他のエリアでも、電化柱や駅・ホームの天井と壁、乗降人員1日3,000人以上の駅舎が耐震補強対策の対策に。工事費は約220億円。通信機能などの強化も全エリアで進められ、在来線地震観測値の高速伝送化(専用回線化)、通信機器室のバッテリー増強(48時間対応用)、本社・支社ビル内通信機器用の無停電コンセントの設置が対策内容に盛り込まれた。工事費は約30億円を見込んでいる。

これらの耐震補強対策などについて、「約5年間を重点的な整備機関として推進し、災害に強い鉄道づくりにまい進してまいります」とJR東日本は発表している。