Mac Pro (Mid 2010)

Facebookに作られた「We Want a New Macpro」というファンページが話題になっている。これは長らくアップデートの止まっているMac Proについて、Appleに新製品を求める同士を集めることを目的としている。5月9日にオープンして以来、5月30日現在で1万3千を超える"いいね!"(Like)を獲得しており、現在もなお増え続けている。「iMacなどではないプロフェッショナルのためのMac」を求めるユーザーの声は、果たしてメーカーへと届くだろうか。


「We Want a New Macpro」のFacebookファンページ

Apple Insiderによれば、同ページのオーナーはLou Borellaという人物で、ニューヨーク在住のプロフェッショナルのグラフィックアニメーター兼編集者だという。同氏は当該のファンページの中でAppleへの質問状を掲載しており、自身が2台のMac Proのユーザーであるだけでなく、G5/G4の歴代タワーマシンや、4台のMacノート、iMac、Mac mini、4台のiPhoneとiPodを所有する、過去10年にわたるロイヤルカスタマーだと説明している。同氏がAppleに訴えていることはシンプルで、iMacのような製品ではない、プロフェッショナル向けのMac製品を今後も継続し、実際に新製品をリリースしてほしい――という1点だ。Appleの現在のビジネスにおいてはiPhoneのようなデバイスが中心なのかもしれないが、そこにたどり着くまでの間にAppleを支えてきたのは自身のようなユーザーであること、そして現状のデバイス売上をみてもAppleに貢献した金額は決して少なくないにも関わらず、そういったユーザー向けの提案がないがしろにされているという不満だ。

ページ開設の5月9日に投稿された、質問状の冒頭部分。全文はぜひページでご覧いただきたい

ところで、本当にBorella氏がいうようにMac Proは冷遇されているのだろうか。Intelプロセッサを搭載した初代Mac Proは2006年夏に登場した。その後、64ビット対応などの問題もあり少し間が空くが、Early 2008、Early 2009、Mid 2010の新製品が、おおよそ15ヶ月程度の間隔でリリースされている。この法則に則れば本来は2011年秋に次のモデルがリリースされていることになるが、そのタイミングからすでに半年が経過しているものの新製品の登場はなく、ユーザーとして「ディスコンになったのでは?」という心配があるのもうなずける。もともとIntelはTic-Tocモデルを標榜して約1年単位でプロセッサを更新しており、「常にハイエンド」を求めていくのであればこの製品サイクルを維持していく必要があるからだ。実際、現状のMid 2010モデルに搭載されているプロセッサは前世代のアーキテクチャにあたるNehalemベースのBloomfield、Gulftown、Westmere-EPで、Xeonとしては1世代前、Intelアーキテクチャ全体でいえば2世代前のものがそのまま使われている。

AdobeやAvidのプロフェッショナル向けツールなど、つねに最高性能を要求するアプリケーションは多々あり、プロフェッショナルユースに応える「真のハイエンドMac Pro」の需要がなくなったわけではない。現時点でAppleからの反応はないが、6月に開催されるWWDC 2012など、いくつか新製品発表に不足のない場が予定されている。ここでプロフェッショナルが望む製品が発表されることはあるのだろうか。