東京電力は14日、2012年3月期連結決算を発表した。それによると、原子力発電所の停止に伴う火力発電所用の燃料費が増加したことなどから、当期純損益は、7,816億円の損失となった。

売上高は、前年度比0.4%減の5兆3,492億円(単独では同0.7%減の5兆1,077億円)。経常損益は4,004億円の損失(単独では4,083億円の損失)で、当期純損益は7,816億円の損失(単独では7,584億円の損失)となった。

販売電力量は、節電や生産活動の落ち込みの影響などにより、すべての用途において前年度の水準を下回ったことなどから、前年度比8.6%減の2,682億kWh。内訳を見ると、電灯が前年度比7.4%減の958億kWh、電力が同8.3%減の112億kWh、特定規模需要が同9.3%減の1,843億kWhとなっている。

収入面については、電気事業において、燃料費調整制度の影響などを受けて料金収入単価が上昇したものの、販売電力量が減少したため、電気料収入は前年度比0.9%減の4兆7,540億円に。地帯間販売電力料や他社販売電力料などを加えると、売上高は前年度比0.4%減の5兆3,494億円(単独では同0.7%減の5兆1,077億円)、経常収益は前年度比0.8%減の5兆4,015億円(単独では同0.4%減の5兆1,843億円)となった。

一方、支出面では、原子力発電所の停止や火力発電所用の燃料費が大幅に増加したことなどから、経常費用は前年度比13.2%増の5兆8,020億円(単独では同13.4%増の5兆5,927億円)となった。

特別利益については、単独ベースで原子力損害賠償支援機構資金交付金2兆4,262億円を計上したほか、資産売却などを行った結果、固定資産および有価証券の売却益をそれぞれ416億円(単独では411億円)、490億円(単独では500億円)を計上し、2兆5,168億円(単独では2兆5,174億円)となった。

一方、特別損失は、東日本大震災により被災した資産の復旧などに要する費用、または損失2,978億円(単独では2,974億円)に加え、単独ベースで原子力損害賠償費2兆5,249億円や有価証券の売却損451億円(単独では427億円)を計上したことにより、2兆8,678億円(単独では2兆8,651億円)となった。

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