東武鉄道はこのほど、リニューアル工事を進めてきた浅草駅の外観の改修が完了したことを発表した。約80年前の建設当時、日本のアール・デコ建築のひとつにうたわれたネオ・ルネサンス様式の外観を再現し、当時の浅草駅ビルのシンボルだった大時計も復活した。

リニューアル後の浅草駅ビル(イメージ)

ライトアップされた浅草駅ビル(イメージ)

浅草駅ビルは1931(昭和6)年、関東では初となる本格的な百貨店併設のターミナルビルとして開業。地上1階から7階まで松屋浅草支店(現在の松屋浅草店)が入り、ビルの地上2階に東武伊勢崎線が直接乗り入れるなど、日本の新名所となる画期的な駅ビルだった。当時の駅名は「浅草雷門」で、1945(昭和20)年10月に浅草駅に改称されている。

リニューアル工事は昨年着工。過去の改修工事で設置されたカバー材(アルミルーバー)を全面的に撤去し、外壁面を改修して建設当時の姿に近づけた。また、かつて駅ビルのシンボルだった大時計を復元し、正面(南面)、西面、東面の3方向に設置。夜には時計塔のライトアップも行われる。

今後は耐震補強工事とともに、ビルの4階から上層部分の内装工事も進められ、11月以降に新たな商業施設としてリニューアルオープン予定。「近未来的建造物である5月22日開業の東京スカイツリーとともに、地域の伝統と文化を未来へつなげる役割を担い、東武スカイツリーラインの玄関口にふさわしい駅として生まれ変わります」と東武鉄道は発表している。