JR東海では、山梨リニア実験線の工事の進捗について発表している。3月27日に東側延伸区間の安寺(あてら)トンネルが貫通し、延伸区間のすべてのトンネルが貫通した。

安寺トンネルは東側延伸区間にある

高架橋の工事も進む

同実験線は1997年4月より、先行区間(大月市笹子町を起点に、都留市朝日曽雌の終点までの18.4km)での走行試験を開始した。2003年には世界最高速度となる時速581kmを記録。「超電導磁気浮上式鉄道について実用化の基盤技術が確立したと判断できる」との評価も受けた。

現在は実験線の延伸工事が行われており、東に7.8km、西に16.6km延伸されて総延長は42.8kmに。延伸区間のトンネルは計10カ所あり、安寺トンネルをもってすべてのトンネルが貫通。トンネル区間工事においては、今年夏までに路盤や天井、壁面の仕上げが完成する予定だ。

明かり区間では高架橋や橋りょうの工事を施工中で、すべての橋台と橋脚が完成し、橋げたがかかりつつある状況だという。橋げた工事は今年秋までに完了する予定。先行区間では全面的な設備更新も行われ、現在はガイドウェイの設置や変電所の機器据付などを施工している。ガイドウェイなどの設置工事は今年夏から本格化する。

その後、来年春から各種設備の機能試験などを開始し、来年末までに新実験線での走行試験を開始するとのこと。新実験線では、長大編成の車両によるトップスピードでの長距離走行や、長大トンネルの走り抜け、保守体系の確立など、超電導リニアの実用化に向けた確認試験が行われる。