『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』

マイナビは3月23日、『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』(マイナビ新書・西内啓著)を発売する。新書版、240ページで、価格は872円。

「いくらがんばっても評価されない」「ダメな上司ばかりでお先真っ暗」「今より昔の会社の方が良かった」「なかなか給料がアップしない」――サラリーマンなら誰もが一度はこんな悩みを抱いたことがあるのではないだろうか。

これは日本に限ったことではなく、世界各地で同種の悩みが蔓延している。この状況を打開すべく、世界最高の学者たちがその解決法の研究を進めている。特に近年は統計学とコンピュータの発達により、現実を反映した様々なデータを収集し、それを分析する実証的な研究方法が可能になった。その結果、社会科学が大いに発展。100年前の社会科学は学者たちの机上の空論だったかもしれないが、現在の社会科学は「論より証拠」の「証拠」にあたる成果を次々に生み出している。本書はその社会科学の知見をもとに、サラリーマンたちの悩みに明快な答えを出していく一冊だ。

だが、ここでひとつ疑問が残る。そんなに我々にとって有益な答えがすでに出ているなら、なぜ、我々はその答えを今まで教わってこなかったのだろうか。ITが発達し、これだけ進化した情報化社会なら、そんな誰もが喉から手が出るほど欲しい「答え」を、誰も発信しないはずがないではないか。

いや、発信はされていた。何千円もする単行本の形だったり、一部の大学の講義でテーマにされていたり、散発的に世に広めようという試みはされてきたのである。しかし、残念ながら、こうした散発的な発信では、我々一般市民まで広まらなかったのである。だからこそ、本書がこの世に誕生したのだ。担当編集者は「本書の真の目的は、アイデアの結合によるイノベーション(革新)です。今まで周知には至らなかった学問的な知識を、本書を媒介にして広めることで、多くの読者のアイデアを生み出す力をサポートできたら幸いです」とコメントしている。わかりやすく解説すると、「この本を読んで、刺激を受けてね」ということだろう。

新書版という読みやすい形で、いま最もホットな学問のひとつである社会科学の知見を手軽に手に入れられる、本書はそんな一読の価値のある一冊だ。

著者プロフィール

西内啓(にしうち・ひろむ)

東京大学医学部健康科学科卒(生物統計学専攻)。東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教、ダナファーバー/ハーバードがん研究センター客員研究員を経て、現在は国内外の社会を健康にするための様々なプロジェクトにおいて調査および戦略立案をコンサルティングしている。主な著書に『コトラーが教えてくれたこと』(ぱる出版)、『世界一やさしくわかる医療統計』(秀和システム)がある
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