大井川鐵道(静岡県島田市)は12日より、井川線千頭~奥泉間の運行を再開する。同日には千頭駅で開通記念式典が行われ、貨車を改造した客車「スロフ317号」も披露される。

8月12日に全線で運行再開する大井川鐵道井川線。全線開通式典では、自社で改造した客車も披露されるという

井川線は千頭~井川間を結ぶ25.5kmの路線で、「南アルプスあぷとライン」の愛称を持つ。同線の川根両国~沢間間で土砂崩れが起きた昨年8月以降、この区間を含む千頭~奥泉間でバス代行運転が行われてきた。

今年7月には、台風6号の影響で、同線の接阻峡温泉~井川間も運休に。こちらは7月31日より再開しており、千頭~奥泉間の復旧により、約1年ぶりに井川線全線で列車運行を再開することになる。

大井川の上流部(奥大井)の渓谷を走る井川線。秘境駅が多く、国内唯一となるアプト式の鉄道システムを採用した区間も存在する(2007年撮影)

これを記念し、12日に千頭駅の井川線ホームで行われる式典では、使わなくなった貨車を自社で改造した客車「スロフ317号」を披露。長さ11m、幅1.8m、高さ2.7m、重さ10.5トンで、定員は55名となる。式典ではその他、関係者によるテープカットや、車両運行安全祈願祭も行われるとのこと。