JR東海は7日、「中央新幹線(東京都・名古屋市間)計画段階環境配慮書」を公表した。この中で、中央新幹線の東京側と名古屋側のターミナル駅と、途中駅の位置について言及されている。

中央新幹線の当面の終点となる名古屋駅

同書は中央新幹線の概要を、「東京都内の東海道新幹線品川駅付近を起点とし、山梨リニア実験線、甲府市付近、赤石山脈中南部を経て、名古屋市内の東海道新幹線名古屋駅付近に至る、延長約286kmの区間」とした。

起点となる東京都のターミナル駅を品川駅としたことについて、「東海道新幹線との結節、在来線との円滑な乗り継ぎ、および国際空港とのアクセスの利便性を確保することが可能」と説明。同駅付近の地下に、南北方向に設置する意向だという。

現在の東海道新幹線の起点、東京駅については、「高度に開発され、地下空間の利用が進んでいるため、駅空間の確保が困難である」「東海道新幹線改札内コンコースは現在でも狭小であり、中央新幹線のための連絡階段などの設備を設けることができないため、設置は困難である」と述べた。

当面の終点となる名古屋駅については、「東海道新幹線との円滑な乗り継ぎを確保することが極めて重要である」とのこと。将来の大阪への延伸を考慮し、東西方向に駅を設置する意向だ。

中間駅は「1県1駅」とし、2面4線の島式ホームと上下亘り線を設置するため、約1kmの直線区間を確保できる場所が選定された。

神奈川県では、相模原市の橋本駅(JR横浜線、JR相模線、京王相模原線が接続)に近接する位置に地下駅が設置される。山梨県では4地域が候補に挙がり、その中でJR身延線と近接する甲府盆地南部を、「駅部及び駅部前後に連続する高架橋を含めて約20mの高さで計画可能である」とした。岐阜県では、中津川市西部のJR中央本線と近接した場所に高さ約20mの高架駅が設置される。なお、長野県内の駅の位置については、「別途選定する」とのこと。

中央新幹線は超電導磁気浮上方式を採用した「超電導磁気浮上式鉄道(超電導リニア)」の新幹線で、最高設計速度は時速505km。車両費も含めた建設費用の概算額は9兆300億円と記載されている。