文藝春秋は『矛盾があるからヒットは生まれる 稲船流 コンセプト仕事術』(稲船敬二 著)を発売した。価格は1,200円。

本書は『ロックマン』のキャラクターデザインを担当した後、『バイオハザードII』、『鬼武者』シリーズ、『デッドライジング』などのヒット作を次々と生み出し、2010年にカプコンを退社した稲船敬二氏の初めてとなる著作。23年間に及ぶゲーム業界での経験をもとに、具体的な交渉や仲間のやる気の引き出し方など、実際に氏が駆使している仕事術を基礎編、実践編、海外編の3本立てで紹介する。本人曰く、「出し惜しみはしません」。

氏は「コンセプトさえしっかりしていれば、ビジネスの世界で必ず通用する」と説く。ここで言うコンセプトとは物事の本質や、大本になる考えを指す。ゲームクリエイター、プロデューサーとして仕事をしてきた末に到達したのが、コンセプトを生み出す「コンセプター」としての役割であったという。コンセプトを創造するということは、まったく新しいものを生み出すということ。クリエイターに限らず、どんな職業に従事する人にもコンセプターになることは可能だというが、どのような姿勢、思考をもって仕事に臨めばコンセプターとして成功できるかを、様々な例を挙げて詳しく説明する。

以下に一部を抜粋する。

ボクの発想法

ゼロをイチにするということが、発想の基本にあります。ではどうやってものを発想するのか。そしてどうやって発想をコンセプトにしていくのか。ボクの発想術をここで紹介しておきましょう。

基本的にボクは、映画などから発想を得ることが多いです。
ボクの場合、映画を見て単に「あ~面白かった」というだけでなく、それよりも面白くするにはどうすればいいかを常に考えています。(中略)ある意味映画の作り手との戦いでもあるわけです。「ボクのほうが面白い作品にできるんだぞ」って気分なのですから。
ここで主人公をこう動かせば面白いとか、こういうキャラクターを登場させれば世界観が広がるのではないか、と考えてみたりしています。
ボクは、それが一番気持ちいい。(中略)
みなさんも発想を鍛えたいと思ったら、ただ漠然と映画やテレビやマンガを見るのではなく、
「この結末をボクだったらこうするんだけどな」
とか、
「このシーンはこうしたほうが面白いよ」
なんてことをいつも考えながら見てください。
そして友達でも恋人でもいいから、そのことをどんどん話してみてください。それが、稲船流発想術の第一歩です。

<本書より抜粋>


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