スイス・バーゼルにて3月末に開催された世界最大規模の時計見本市「BASELWORLD 2011」。ハミルトンは、「モダン・タイムズ‘Modern Times’」をテーマに新作を発表していた。

1969年にハミルトンが共同開発した、世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブメント「クロノマチック」を搭載し、1971年に発表された「パン ユーロ」。それから40年目。節目となる2011年に登場したのが、ETA 7753をもとに開発し、パワーリザーブ最大60時間と、ムーブメントの安定性向上を実現したという新ムーブメント「H31」を搭載した復刻モデル「パン ユーロ」である。丸みを帯びたスクエア型のケースやブルーのダイヤルが印象的な同モデルは1971本限定で、発売は10月。予価は17万3,250円。

1970年代のアメリカを感じさせるデザインが特徴的な「パン ユーロ」。ケース径は45mmで、裏蓋には「1971」という年号が刻まれる

ブースでは、1971年に発表された「パン ユーロ」、新ムーブメント「H31」も展示

また、1940~1950年代のハミルトンのアーカイブをモチーフとし、30気圧という高い防水性を備えたGMTウォッチ「カーキ UTC」も注目の逸品。耐磁加工も"ムーブメントの周りを鉄で囲む"という当時と同じ手法にこだわっており、旧ロゴを刻印した裏蓋、ポリッシュを施したケースなど所有欲を満たしてくれる仕上がりとなっている。7月に発売予定で、予価は126,000円。

世界24箇所の国際空港を国際航空運送協会(IATA)の3桁コードで表示する「カーキ UTC」。ケース径は42mmで、ブラックダイヤルとシルバーイエローダイヤルが用意される

さらに、1960年代に人気を博した「シノマティック」の復刻モデルも登場。「ジャズマスター シノマティック」と名付けられた同作のフレックスブレスのモデルでは、1940年代に「ハミルトン・ゴールド」と呼ばれたシャンパーン・ゴールドカラーの文字盤を採用。レトロかつエレガントな雰囲気となっている。価格は90,300円~99,750円。

オリジナルモデルの特徴を忠実に再現した「ジャズマスター シノマティック」。オリジナルモデル「シノマティック」は、名前からもわかるとおり、当時の自動巻き(AutoMatic)の中で、最も薄い(Thin)ケースを採用した画期的な時計だった

レディースモデルとしては、2010年にデビューした「レディ ハミルトン ヴィンテージ」の新作も登場。参考商品

なお、バーゼル中央駅のホールには今年もハミルトンのスペシャル飛行機が登場。駅舎に入ると目に飛び込んでくる鮮やかなオレンジの機体を思わず見上げる人も多かった。

今年のテーマであるModern Timesは、1930年代に公開された『チャーリー・チャップリン』の代表作。時を経ても新たな感動を与えてくれるチャップリンの名作に新作をなぞらえている