塾通いにゲーム、パソコンなどで、現代の子どもはずいぶん体と脳を酷使しているようだ。ロート製薬がこのほど発表した「ロート子ども生活情報便」によると、母親の4割が「自分の子どもは疲れている」と感じているという。この疲れ、放っておくと脳へのダメージにつながることもあるそうだから気をつけたい。

同調査は、同社が小学生の子どもを持つ母親600人を対象に2010年に行ったもの。調査結果によると、「自分の子どもは疲れている」と答えたのは、肉体的疲労が43.8%、精神的(脳)疲労が40.3%だった。また、約7割の母親が「自分自身が子どもの時よりも、今の子どもの方が疲労する要因が多い」と感じていた。

子どもの疲れ実態―ロート調べ(n=小学生の子どもを持つ母親600人 / 2010年実施)

疲労研究のエキスパートである大阪市立大学の渡辺恭良教授によると、学習意欲の低下には疲労が深く関わっているとのこと。睡眠には、脳を休ませるだけでなく、情報を整理するという大事な役割があり、睡眠不足が続くと慢性疲労やうつなどの問題が起こってくる。子どもの場合は、学習意欲が低下し、不登校などの問題につながるという研究結果も出ているそうだ。

また、脳の発達期にある子どもが慢性疲労に陥ると注意配分機能が低下することも知られてきており、「たかが疲れと思いきや、『子どもの疲れは脳へのダメージにつながる』という、大きなリスクをはらんでいる」という。

同レポートによると、子どもの疲労回復には「早寝・早起き・朝ごはん」の規則正しい生活習慣が効果的とのこと。「ほめられること」「親が子どもと一緒に早く寝てあげること」が脳の疲れを回復させるという研究結果も出ているそうだから、ぜひ実践してみては。