阪神電鉄はこのほど、子どもの登下校を検知してメールで保護者に通知するサービス「阪神あんしんサービス 登下校ミマモルメ」を開始した。学校の校門に通信端末を設置し、子どものランドセルにICカードタグを入れておくと、子どもが校門を通過するとすぐにメールで知らせるという。塾や図書館など、子どもがよく行く場所にも導入できるとのこと。すでに阪神電鉄沿線の公立小学校を中心に約30校で実施を予定し、5校で稼動しているという。

「阪神あんしんサービス 登下校ミマモルメ」のしくみ。校門の下に埋め込んだトリガーコイルの磁界でICタグを起動し、校門に設置した受信アンテナで個別情報を読み取る

ICタグは名刺サイズより小さい

ICタグはランドセルや鞄に入れるだけ

このシステムは阪神電鉄の関連会社が運営する「あんしんグーパス」の技術を発展させた仕組み。「あんしんグーパス」は子どもが使用するIC乗車券「PiTaPaカード」の個別情報を改札機で読み取り、保護者の携帯電話にメールで子供の名前、改札機通過時刻、駅名を通知するサービス。現在は、阪神電鉄のほか、大阪市営地下鉄、阪急電鉄、京阪電鉄、南海電鉄など近畿圏の大手私鉄や公共交通をカバーしているという。

「阪神あんしんサービス 登下校ミマモルメ」はハンズフリーの無線ICタグを使用するため、子どもへの取扱説明は不要、端末へタッチする操作も不要。ICタグは40mm×57.8mm、厚さ6.1mmと小さく、ランドセルの中に入れっぱなしで動作するため、外部からサービスを受けていることを知られる心配がなく、匿名性を保てるという。また、同じ設備を持っている他の学校や施設の通過も知らせるとのこと。

同サービスの導入に当たって、学校など施設側の工事費は不要で、阪神電鉄が負担するという。阪神電鉄が保護者に対して説明会を開き、保護者と直接契約する仕組みで、初期登録費用として2,500円、月額350円(年額4,200円前払い)が必要。なお、兄弟割引として、1家族2人以上の場合は一律500円となる。なお、2011年3月までは初期登録料、利用料は無料。有料サービスの開始は2011年4月の予定。同サービスを導入した学校には、全校保護者、学年別、クラス別、児童別のメール配信サービスを提供するとのこと。