アジア時間概況

株式市場は、米韓共同軍事演習による緊張感がある韓国株価指数は上値が重たい地合いが継続されたが、他の株式市場は比較的落ち着いた展開で、市場参加者も模様眺め状態。欧州の株式市場の展開を、待っている状態ともいえよう。

一方、為替市場では、週末のEU支援が決定を受けて買い戻しが入ったユーロだったが、マクロファンドや金融機関からのユーロ売りが上値を抑え、1.3200を一時割り込んだ。ギリシャの財政赤字削減に対する懸念の他に、ドイツが提唱している2013年以降の投資家負担の話題が重石となっている。

その他ではNZがスイス系からの売りで反落し、豪ドルは設備投資にも通して以下などを受けて下落し、本邦筋からの売りも加わって、クロス円は軟調に推移している。

主な経済指標予定

・19:00 (ユーロ圏)11月景況感・業況感指数

・N/A (欧州)欧州委員会 経済見通しを発表

要人発言予定

・18:40 (豪)スティーブンスRBA総裁 講演

・27:30 (米)ブラード・セントルイス地区連銀総裁 講演

・29:00 (米)バーナンキFRB議長、ピアナルト・クリーブランド地区連銀総裁 ディスカッションに参加

欧米時間の見通し

市場は引き続き警戒感が根強い。

アイルランドへの支援は決定したが、地方選挙に与党が敗北していることから、議会において予算削減案がすんなり通るかどうかが懸念されている。また、ギリシャの財政赤字削減が思ったように進んでいないことや、ポルトガルやスペイン国債の利回り上昇という地合いも継続されている。投資家負担という点で保有債券の縮小という流れで価格下落が加速すれば、さらに金融機関の資本調達コストの上昇につながりがすい。

また、今週は、スペイン・ポルトガル・イタリアなど債券発行(借り換え)の予定が入っていることから、順調に消化できるかどうかという不透明要因がある中では、ユーロおよび欧州株式市場の反発は鈍くなりそうだ。

今日は、主だった経済指標イベントがない中で、ユーロの財政問題でこれらの国債利回り次第ではまだまだ予断を許さない状態となろう。

また、豪ドルにおいて対円での本邦個人投資家からの買いが80円台で見られるものの、対ドルでは欧米ファンド筋からの売りが目立っているようだ。明日の経常収支発表を前に、これまでの豪ドルの上昇に加え資源関連価格の推移などで赤字幅拡大になるのではないかという懸念がある模様。

本日の設備投資に対してやや慎重な数値となったこととも合わせて、テクニカル的に10月につけたダブルボトムに近い0.9650を割り込んだことも、ロング解消の動きとなっているのであろうか。一旦は0.95台を見て反発したものの、欧州株式市場のセンチメント低下となれば、リスク回避的な地合い次第では再度下値模索に転じる可能性がある。

夕方にはRBA総裁の講演予定もあることから、豪ドルの動きにも注意しておきたい。

以上から見れば、消去法的なドル買いになりやすい地合いになろう。ただ、あす以降の米経済指標イベントを控えて、短期的なドル買いポジションからの利益確定が出てくる可能性があり、ドル円では84.50、ユーロでは1.3180をしっかりと抜けるかどうか。がドル買いに弾みをつけるポイントとなろう。