オープンソース系のメディアプレイヤー「VLC Media Player」のiOS版の提供が間もなく終了になる可能性が高まっている。App Storeでの配信がGNUのGeneral Public License (GPL) に違反するという。VLCの主要な開発者であるRemi Denis Courmont氏がメーリングリストで明らかにした。
VLC Media Playerは、幅広いメディアフォーマットをサポートし、複数のプラットフォーム(Windows、Mac OS X、GNU/Linux、BSD、BeOS、iOSなど)用が用意されている人気の高いメディアプレイヤーだ。iOS版に問題が生じているのは、VLC Media Playerが無料ソフトウエアとしてGPLのみでライセンスされているためだ。Appleのモバイルデバイス・ユーザーにアプリケーション提供を限るApp Storeの製品利用規約に従うと、GPLの規約に反することになる。VideoLANプロジェクトは10月25日に、App StoreでのVLC Media Playerの配布が著作権侵害に相当する旨の通知をAppleに送付しており、「Appleはまもなく配布を中止するだろう」とCourmont氏は告知している。
VLC Media PlayerのiOS版がなくなるのは、VideoLANプロジェクトにとって大きなマイナスになる。こうしたコメントに対してCourmont氏は、オープンソースソフトウエアとして公開してきたからこそVLCの現在の品質と成功があると指摘し、その上で「どのようなケースであれ、明らかなライセンス違反を容認するわけにはいかない」と述べている。