帝国データバンクは28日、2010年10月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(134万社収録)から、外国為替証拠金取引(FX)の専業者を抽出し、収益動向などについて調査・分析を行った結果を公表した。なお、FXを扱う銀行や証券会社などについては今回の対象には入っていない。同様の調査は今回が初めてという。

これによると、過去3期分の業績が判明している主要48社の収入高総額の推移をみると、最新期である2009年度(2009年4月~2010年3月期決算)の収入高総額は、前期比1.3%減の1,357億8,600万円となった。

個人投資家を中心とするFXへの注目の高まりを背景に、各社ともに口座数・預かり証拠金残高を増加させた一方で、景気回復への不透明感を背景に顧客の投資スタンスが慎重になり、取引の小口化が進行。加えて、新規参入業者の増加による競争激化もあり、急成長した2008年度に比べて全体の収入高は減少となった。

直近2期の収入高の増減をみると、2008年度には「増収」企業が34社であったのに対し、2009年度は20社まで減少。一方、「減収」企業は全体の半数近くまで増加しており(構成比47.9%)、前年と比べると減収傾向となった。

収入高の規模別にみると、年収入高「50億円以上」の大手では増収となった業者が75%を占めている一方、「10億円以上~50億円未満」の中堅業者の75%が減収となっており、帝国データバンクでは、「勝ち組と負け組の二極化の傾向が見えはじめている」と分析している。

収入高の規模別にみると、年収入高「50億円以上」の大手では増収となった業者が75%を占めている一方、「10億円以上~50億円未満」の中堅業者の75%が減収となった

2009年度年収入高の上位5社をみると、1位は外為オンラインの191億2,600万円(前期比17.6%増)で増収増益となった。2位の外為どっとコムは収入高158億9,400万円(同32.4%減)で減収減益。3位のクリック証券は収入高151億2,400万円(同87.2%増)で大幅増収だった。5位のサイバーエージェントFXも、収入高67憶3,400万円(同14.2%増)で増収増益。

収入高上位5社