日本当局の発表を受けて失望の円買い状態だったが、ドル円は84円台半ば付近まで。 イギリスがバンクホリデーのため、欧州時間の低流動性の中では、昔のようにリスクを取る向きは少ないか。

その後アメリカの個人所得・支出において、支出が市場の予想を若干上回ったことで多少のドル買いに反応。 ただ、リスク回避の地合いに変化はなく、株式市場の軟調地合いを受けては、欧州市場も反応し、ユーロは1.26台に下落。マイナー指標とはいえ、ダラス連銀の数値も悪く、さらに原油価格の下落を受けてカナダ売りが優勢となり1.06台をタッチ。株式市場において金融銘柄が軟調では、リスク売り状態を継続させる展開となった。

・08:50 (日)6月鉱工業生産 速報

・08:50 (日)6月商業販売統計

・10:00 (日)閣議、閣議後会見「経済対策の基本方針」決定

・10:30 (豪)第2・四半期経常収支

・10:30 (豪)7月小売売上高

・14:30 (印)4─6月GDP

・17:00 (ドイツ)8月失業率

・18:00 (ユーロ圏)8月消費者物価指数 速報値

・18:00 (ユーロ圏)7月失業率

・21:00 (米)6月S&Pケース・シラー住宅価格指数

・22:45 (米)8月シカゴ地区購買部協会景気指数

・23:00 (米)8月消費者信頼感指数

・03:00 (米)FOMC議事録 発表

市場の失望感というか、警戒感が募っている状態では、日本株式市場の地合いは良くない状態か。単に日銀及び日本政府が具体的 (日銀は追加政策を打ち出したが、想定範囲内) に新たな一歩を踏み出したことにはなっていないという点ではない。

まずは、菅・鳩山両氏が打ち出したトロイカ体制の復活。民主党代表選において小沢氏との対立を避ける妙策(?)ともいえるかもしれないが、市場の小沢氏に対する警戒感(いや国民感情でも世論調査では出ているようだが)がある。

さらに、今朝のメディアにもあるが、来年度の一般会計における概算要求が96兆円余り?!! 欧米各国が財政赤字削減を打ち出しているさなかで、増加させるという体質・官僚組織に危機感のなさに関して、海外からの資本流入を望む可能性がさらに低下するのではないだろうか。

この点を考慮すれば、リスク回避という市場の展開とはいえ、ドル円に関しては、無理に円買いというシナリオは取りにくいかもしれない。本日、経済対策の基本方針が発表される予定だが、円というよりは日本の構造体質に対するリスク増幅につながらなければよいが……。

むしろ、クロス円や、対ドルにおける他の通貨の展開には注意しておきたい。株式市場におけるリスク回避の展開となれば、キャッシュ化・ポジション調整、そして通貨においては決済通貨として流動性が高い通貨に資本が向かいやすい。これまでは、円とドルになるが、前述の状態ではドルに優位性が出てくるか。

こういった中、アジア時間午前にはオーストラリアの経済指標イベントが発表される。海外時間において若干資源関連銘柄が下落している上、政局も依然ハングパーラメント状態になっていることから、市場の予想とのかい離次第では変動が大きくなるかもしれない。特に、小売売上高が、市場の期待感を覆す内容となれば、0.8870以下にあるといわれる現地企業からの興味の買いを吸収してしまう可能性が高まってくるか。欧米勢の売り興味はすでに0.89台後半に控えているようだ。

そして、もう一つ気になるのはが、隣国のニュージーランドの最大ファイナンス企業の破綻の話題もアジア時間においては重石となる可能性が出てきている。市場の観測では17億NZの負債を抱えているといわれ、かなりNZ政府だけではなく、管財人としても受け皿作りに悩みそうだ。

その上、中国当局が警戒している各中央銀行の融資先の増加の話題が出てきており、新たな窓口規制を打ち出されてしまう土壌を作ってしまっている。 株式市場におけるリスク回避の展開になりやすい地合いが、どの地域からも出てきていることから、アジア時間では下値模索の展開が優勢となりそうだ。