電子書籍・雑誌の開発と普及を目的として研究と情報交換を進める専門書・実用書出版社の団体「電子書籍を考える出版社の会」(英文名:eBook Study Group of Publishers、略称eBP)は25日、都内で設立記念パーティーを開催、会員会社45社が参加した。

専門・実用書系出版社でつくる「電子書籍を考える出版社の会」が設立記念パーティーを開催。45社が参加し、各社からあいさつが述べられた。写真は左から代表幹事を務める毎日コミュニケーションズの滝口直樹氏、グーグルの佐藤陽一氏(ゲスト)、相談役を務める技術評論社の加藤博取締役

冒頭のあいさつで、代表幹事を務める毎日コミュニケーションズの滝口直樹氏は、まず「電子書籍において、専門書・実用書には図版や写真が多く、版型や価格帯も文芸書とは異なる。そうした違いを研究するために専門書・実用書版元が集まったほうがいいと考えた」と同会の設立の理由について触れた。その上で同会の活動について「電子出版では出版業界の古い制度にこだわらず、新しいビジネスにできるよう、柔軟に対応していきたい」と抱負を述べた。

ゲストとしてあいさつを述べたグーグルの佐藤陽一氏は、2011年初頭に開始予定の電子書籍の販売プラットフォーム、『Google エディション』について説明した。「Google エディションを使いやすいものにし、日本のユーザーに必要なものを提供するために、こうした会を通じて出版社のみなさんと密に情報交換をして一緒によいものを作り上げていきたい」。

乾杯のあいさつで相談役を務める技術評論社の加藤博取締役は、「電子書籍はメディアのイノベーション。既存のメディアがイノベーションに対応していくのはそれほど容易なことではない。まずは専門書・実用書の電子書籍のマーケットや課題について話し合う場を持つことが大切。そうした場を持てるのはありがたいこと。これからは、参加出版社各社が積極的に関わり、会が盛り上がれば」と期待を込めて話した。