アジア市場動向

本日のアジア株式市場は、日本225種を含め、前日の米株式下落と欧州の流動性問題を背景にリスク回避の展開となった。

一方、為替市場は欧州の債務リスクが投資家の不安心理を誘発し、午前中からユーロ売りが加速。この値動きに連動し、豪ドルやNZDといった高金利通貨も下落幅を拡大させた。

海外市況動向

昨日はイタリアの国債入札が低調だったことを理由にユーロ安が加速するも、欧州株式市場への影響はそれ程見られなかった。しかし、本日のアジア株式市場は、序盤は堅調だった日本225種も含め、総じて売り優勢の状況となったことに加え、ユーロも同様に午前中から対ドル、対円で売りが強まっていることから、本日の欧州及び米株式は、リスク回避傾向が強まる相場となる可能性が出てきた。

7月1日にはスペイン国債の入札が予定されており、また、同じ7月には同国の償還も控えている。更には、同じ1日にECB(欧州中銀)の1年物オペが期日を迎える。約1000億ユーロ規模の資金ショートになるのではとの観測もあり、金融機関のストレステストの結果と合わせ、市場関係者は、債務リスクに敏感にならざるを得ない状況となっている。

こうなってくると、株式市場では金融セクターへどこまで影響が波及するか、本日のリスクトレンドを見極める上でこの点が重要なポイントとなりそうだ。昨日の欧州株式指数は総じて底堅い値動きとなったが、銀行株では売り圧力が強まっていた点には注意が必要だろう。

また、ユーロは対ドルで1.22台をかろうじて維持しているものの、対円では欧州タイムが近付くにつれ投資家の売りが再び強まり、109.00のラインをブレイクした。かろうじて108円ミドルは維持しているものの、6月7日の安値108円前半まで下落する可能性も出てきた。

一方、ショートカバー要因を挙げるとすれば、本日23:00に発表される6月の米消費者信頼感指数か。昨日は米個人消費支出の増加が米経済の力強い成長が裏付けられたという思惑が台頭し、消費関連株を中心に底堅い値動きとなった。

今回の消費者信頼感指数は、前回値63.3を下回る見通しが大勢を占めているが、米消費動向は米国内のみならず、世界経済へも多大な影響を与えるため、その内容には注目したい。

ユーロドル 日足

ウォール街株価指数 日足