FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。欧州時間においては、リスク買い戻しの展開だったが、S/L付けが一段落した後は、もみ合いに。

その後、ドイツ当局が依然示した空売り規制を恒久的に行うことを示したことで、ユーロは反落。ただ、英米勢が3連休前というともあり、株式・為替いずれもやや買い戻しの興味もあり、米経済指標を受けた売りも今一つ。

ところが、タイミング悪く、スペインの格付け引き下げで、ファンド筋の売りも入って、ユーロは1.22台、対円で111円台に下落し、株式市場もマイナス状態。その後は、債券市場が半日営業のため、静かな展開のまま、リスク警戒で終了。

・08:50 (日)4月鉱工業生産速報

・12:00~ (日)白川日銀総裁講演

・10:10 (韓)エバンズ・シカゴ地区連銀総裁 記者団と会合

・10:30 (豪)第1・四半期経常収支

・17:00 (ユーロ圏)4月ユーロ圏M3

・17:00 (ユーロ圏)トリシェECB総裁 講演

・18:00 (ユーロ圏)5月景況感・業況感指数

・18:00 (ユーロ圏)5月消費者物価指数 -速報値-

・N/A (ユーロ圏)ECB 金融安定化に関する報告書 発表

・米国[メモリアルデー]、英国[バンクホリデー]は休場

EURチャート

週末前のスペイン格付け引き下げ以降、週末においてポジティブなニュースがあるかと期待している向きもあるが、どちらかというと基調改善とはなりにくい要素が積み上がっている状態。

スペインにおいては、政府からの援助目当て(?)とみられる他の金融機関買収の動きや、スペイン・ポルトガル、さらにはイタリアではゼネストの予定が今週あり、さらには金融規制法案、ドイツ当局の空売り規制強化など、ユーロ圏からの資本流出を後押しする話題ばかり。

市場でも週明けから、リスク回避の展開で、クロス円の売りが入っており、株式市場も上値が重たい展開になっている。

その上、週末には新政権が発足したばかりのイギリスで、財務担当相が不正経理で辞任したばかり。欧州通貨は対ドルで軟調に推移しやすい地合い。ただ、IMM通貨先物ポジションにおいては依然高水準のショートがあることから、下げが鈍ければ、買い戻しも入りやすく、押しては引くという上下動を繰り返しそうだ。

そして、日本を訪れている中国の温家宝首相の北朝鮮への対応がどのようになるかも注目されるが、北朝鮮が自制しない場合には、どうなるのか。北朝鮮で、仮に小規模ながら軍事衝突が起こった場合に、どのように日本市場に影響を及ぼすかはまだ不透明。

ただ、リスク回避ととらえれば、円買いとなるが、日本にまで影響を及ぼす可能性が大きくなれば、円売り要因となり、株式市場にとっては、いずれの場合においても上値を抑える要因となろうか。

また、社民党の連立離脱の話題も、株式市場にとっては重しとなろう。となると、ドル円はリスク回避でも、グローバルと国内要因で板挟み状態で意外と90円は割り込みにくいかもしれない。

今日は、アメリカとイギリスが休日のため、新たな材料が出ないと、大きく動く可能性は少ないが、火種がユーロとアジアだけに、流動性が若干低下しやすい地合いで、一方向に傾きやすいかもしれないため、注意が必要だ。

N225チャート