iPad版の産経新聞アプリが登場。App Storeより入手できる

産経新聞社と産経デジタルは28日、Apple製タブレット端末「iPad」向けアプリ『産経新聞HD』をリリースした。高精細な紙面データが配信され、産経新聞紙面をそのままのレイアウトで閲覧できる。本日より1カ月間は無料、その後は1,500円/30日間で提供される。

同社は2008年12月にiPhone用アプリ「産経新聞」をリリース、"試読"という位置づけで紙面データを(当面は)無料提供する中、課金の可能性について模索していた。今回、iPadの日本発売に合わせて、産経新聞HDによる有料提供を開始することとなった。「iPadであれば大画面で高精細(HD, High Definition)なデータを提供することができ、お金をいただいてもいいのではないかと判断した。1,500円という価格はアプリ開発費など諸々を含めた経営判断」(産経デジタル企画部)。アプリ自体は無料提供、紙面データの購読料が購入日から30日間・1,500円となる。購読期間後の更新手続きはアプリ上で行なえる。

iPhone版産経新聞をiPadで利用すると、拡大表示の際に紙面がぼやけたが、産経新聞HDであれば専用の紙面データが配信され、高精細な紙面を閲読できる

産経新聞HDは、iPhone版産経新聞とほぼ同様の機能を提供する一方、解像度を3段階に分けた紙面データは「iPhone版よりもはるかに高精細なものを使っている」(同)。データの配信時刻は新聞発行日の午前5時。現時点では、iPad版紙面データの広告部分にはマスクをかけているという。

搭載機能はiPhone版とほぼ同じ。開発会社はiPhone版を手がけたヤッパ

なお、iPhone版産経新聞の累計ダウンロード数は100万件を超えているが、産経新聞HDについては「iPad本体自体がどれほど売れるかわからず、購読者の予想数値は出していない」(同)。iPhone版産経新聞の提供については、「iPhoneとiPadは使われる場面が違い、それぞれまったく別のデバイスと考えている」(同)とし、今後も産経新聞に触れる機会を増やすための試読として提供を続けていく。

同社は、新聞が持つ"紙面レイアウトの価値"を伝えるのに適したデバイスとしてiPadに期待を込める。「ぜひ紙の新聞を読まなかった方にも(iPadを)手にとってもらい、あの画面で紙の新聞のレイアウトを読んでもらいたい」(同)。