FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。米市場オープン前に発表される決算内容次第で本日の方向性を見極めたい。朝方発表された米ハイテクセクターの好決算がどこまで影響するかが、本日の欧米市場の動向を左右するだろう。また、自動車株も世界的に底堅い値動きを見せており、好業績が期待される大手自動車メーカーを中心にリスクテイク継続の動きとなるか注目したい。

17:30 以降は、BOE(英中央銀行)議事録 と3月の英雇用統計が発表される。 企業業績が改善傾向を示す中、どの程度雇用情勢の改善に寄与しているか、またBOEが目標としている2.0%のインフレ率と実際の状況をどのように認識しているかが焦点となろう。 ただ、英景気回復は依然として弱く、早期利上げを示唆する可能性は低い。また、マーケットの関心は企業決算に向いていることから、一過性の売買材料として株式や為替市場でとらえられても、相場を大きく変動させる可能性は比較的低いか。

むしろソブリン・リスクがいつ突然顔を出すか、この点には引き続き注意が必要だろう。昨日、IMFはグローバルリセッションからの回復過程で増加した政府債務が、世界経済に対する最大の脅威になっていると指摘した。IMFが指摘する通り、いつこの件でリスク回避が誘発してもおかしくはない状況が続いている。仮に再びユーロ売りの展開となれば、商品市場へもその影響が波及し、資源系で再び売り圧力が強まる可能性が強まろう。

その後米市場オープン前に、米主要企業の決算発表が予定されている。大手航空機メーカー・ボーイング(BA.N)は、日本時間20:30に第1四半期の決算を発表予定となっている。事前予想のEPSは0.75ドル(前回0.87ドル)。米製造業の回復期待が米株価指数上昇の牽引役となっており、その結果如何で、上下どちらにも振れる可能性があろう。

金融セクターでは、米金融規制策への不透明感が台頭しては後退するという不安定な状況の中、モルガン・スタンレー(MS.N)とウェルズ・ファーゴ(WFC.N)が日本時間21:00に発表予定となっている。モルガン・スタンレーの第1四半期事前予想EPSは0.57ドル(前回-0.57ドル)、ウェルズ・ファーゴの第1四半期事前予想ESPは0.42ドル(前回0.56ドル)との見通しだが、ここまでの米金融機関の決算内容自体は良好なことから、金融セクターでの不透明感を払拭するような流れとなれば、リスクテイクの波が為替市場へも波及する可能性が出てくる。

また、製造業と同様に底堅い株式市場を演出しているハイテクセクターでは、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX.N)が米市場オープン前、クアルコム(QCOM.O)が日本時間17時に発表予定となっている。ユナイテッド・テクノロジーズの第1四半期事前予想EPSは0.90ドル(前回0.78ドル)、クアルコムの第2四半期事前予想EPSは0.57ドル(前回0.41 ドル)。共に前回を上回る見通しとなっており、引き続き株式市場でのリスクテイクを誘発するか注視したい。

本日も株式動向次第で為替や商品市場の方向性も決まってくる可能性が高い。 このため上記の米主要企業の決算内容と市場がどれを材料視するか、この点を見極めることが重要な一日となろう。

米国SPX500種株価指数日足