2月20日公開の映画『人間失格』のトークイベント「人間失格サミット」が16日、都内で開催され、モデルの押切もえやタレント・木村綾子、漫画家の倉田真由美など、"太宰フリーク"の各界著名人が集結。太宰治の"だめんず"ぶりを徹底討論した。

中学生の時に読んだ『走れメロス』が、最初に触れた太宰作品だという押切。「鋭いリズムと情熱的な作品を書く一方で、壮絶な人生を送った太宰治に惹かれました」と、太宰への想いを語った

『人間失格』は、同名の太宰治の代表的な青春純文学を映画化した作品。美しい容姿とカリスマ的魅力で周囲を魅了しながらも、世間にうまくなじめない青年・葉蔵(生田斗真)が、不安や迷いを抱えながら破滅へと向かっていく姿を激しくも切なく描いている。

「太宰治と恋愛ができるか」という質問を受けた押切は、「昔から大っ好きでした」と、太宰好きぶりをアピール。また、「素直な男性が好き」という押切は、太宰や葉蔵の男性としての魅力について、「"守ってあげたい"とか"励ましてあげたい"という気持ちになります。素直で優しいゆえに傷つきやすいところが、私ならあなたを分ってあげられる! ってなる」と語った。ただし、「大人になってから『人間失格』を見ると、『ここで立ち直って欲しかった』というポイントが何回も出てくるので、励まし疲れそうだな、という感じはしますね」とも。さらに、「ちょっとフラフラしすぎですね」と苦言も呈するなど、大人の女性としての冷静な意見も述べた。

子供の頃、太宰治の墓のある禅林寺の近くに住んでいたという、文学評論家の伊藤氏貴氏。「(禅林寺には)太宰グッズとして『生まれてすいませんキーホルダー』とか売ってましたね」

太宰のような男性には「どこまで聖母のような女になれるか、逆に試されている気がする」という木村綾子。「彼が求める女になれない自分が申し訳ない、と思ってしまう」

2009年に娘が生まれたばかりという漫画『だめんず・うぉ~か~』の著者・倉田真由美。「太宰治のような男性は、娘には絶対選んで欲しくない。即刻却下ですね! 」

また、「熱海で宿代が払えず、友人1人を宿に残して金を取りに東京に戻った太宰は、結局、宿に友人を残したまま戻らず、井伏鱒二の家でのんびりと将棋を指していた」という、『走れメロス』と似て非なる太宰の"だめんず"エピソードを聞いた押切。衝撃を受けた様子で、思わず「ひど~い……」とこぼした。さらに討論の中で次々と飛び出す太宰の計画的とも言える"だめんず"ぶりに、押切は「(太宰のような)計算高い男性には気をつけないとな、と思いました」と苦笑していた。

映画『人間失格』は2月20日より、角川シネマ新宿他で全国ロードショー。

後列左より、本作に企画協力した羽仁未央、作家・ねじめ正一、伊藤氏貴、角川書店の角川歴彦社長、前列左より、木村綾子、精神科医・香山リカ、荒戸源次郎監督、押切もえ、倉田真由美