芸歴10年以下の芸人を対象にした毎年恒例のお笑いコンテスト「NHK新人演芸大賞」が17日、NHK大阪ホールで行われ、結成7年目のスマイル(瀬戸洋祐・ウーイェイよしたか よしもとクリエイティブエージェンシー所属)が演芸部門の大賞を獲得した。

『NHK新人演芸大賞』演芸部門大賞を受賞したスマイル。左から瀬戸洋祐、ウーイェイよしたか

東京・大阪を合わせて267組が参加した今年の予選を勝ち抜き、大賞を決するこの日の本選に出場したのは、しずる、ダイアン、Wエンジン、ニッケルバック、ハライチ、GAG少年楽団、スマイル、プリンセス金魚(以上、ネタ順)の8組。

若手トップクラスの売れっ子・しずる、"惚れてまうやろ!"のギャグで人気のWエンジン、2年連続でM-1決勝進出を果たしている実力派のダイアンら手強いコンビが会場を沸かせる中、7組目に登場したスマイルは、ハイスピードにボケとツッコミをたたみかける漫才で客席を爆笑の渦に。審査員である漫才界の大御所・喜味こいしを「これだけのテンポで漫才をやれるのはえらいこと。私は40年やってもテンポ通りにできなかった。感心させてもらってます」とうならせ、同じく審査員の渡辺正行からは「ボケのバリエーションが増えて漫才がうまくなってる」と絶賛を受けた。

これまで、若手賞レースのファイナリストに何度も名を連ねながら、あと一歩のところで優勝を逃していたスマイル。大きなタイトルで栄冠を勝ちとるのは今回が初とあり、喜びもひとしおのよう。「初めてのことなんで、いろんなことを思い返ながらボーッとしてしまいました。いつも別のコンビが輝いているのを後ろから見てるのみやったんで」と受賞の瞬間を振り返った瀬戸は「率直にうれしいです。賞をもらったことがなくて、自分たちが漫才で評価されないことに悩んでいた。そのときに一所懸命作ったネタで初めて結果が出せたので、自信に繋がりました」と感慨深げに語っていた。

一方、よしたかも受賞の瞬間はうれしさのあまり放心状態に。おなじみのギャグ「ウーイェイ!」すら言えないほど「夢見心地」だったとか。「ホンマにうれしいときって、"ウーイェイ!"って出ないんだってわかりました(笑)」とボケてみせながらも、今回の勝因について「今日は僕らがホンマにいいと思ってるものを出せたんじゃないかなと。自分たちの自然体を出せる漫才が僕らのベストやと思ってるんで」といつもの天然ボケキャラはどこへやら? の大マジメなコメントを。だがすかさず「今みたいなコメントは普通、瀬戸くんが言うんですけど…」としっかり者の相方に助けを求め、当の瀬戸に「こういうときは気にせんでええねん! そういうコンビの役割とかは!」と突っ込まれて笑いを誘っていた。

なお、この模様は11月30日(24:10~)にNHK総合で放送予定。