原作シリーズが累計100万部を突破するほか、「このライトノベルがすごい! 2009年度版」(宝島社刊)にて第1位を記録するなど、高い人気を誇る野村美月氏の"文学少女"シリーズ(エンターブレイン ファミ通文庫刊)。古今東西のあらゆる名作文学をモチーフとした青春ミステリーが、満を持して劇場アニメとなって登場する。公開は2010年の予定で、監督は多田俊介氏、アニメーション制作はProduction I.Gが担当する。

"文学少女"が2010年に劇場アニメとなって登場

■劇場版 "文学少女"
『ぼくはあの日、真っ白な木蓮の木の下で、彼女に出会ってしまった――』

入学したばかりの新入生、井上心葉は、白い花を満開に咲かせた、大きな木蓮の木の下で本を読んでいる女生徒を見つける。その光景に見とれていると、少女は何と本のページを破り食べ始める。驚く心葉を、その少女、遠子は「今日からきみは文芸部に入りなさい――」と強引に入部させてしまう。それから一年経ったある日。遠子の「おやつ」の為に設置した「恋愛相談ポスト」に一通の手紙が……。ここから物語は急転直下のミステリアスな学園物語へと展開し、遠子、心葉を中心に、様々な登場人物達の物語が紡がれていく。

主人公の男子高校生・井上心葉は、文学を食べちゃうぐらい愛する"文学少女"、文芸部部長の天野遠子に、無理やり文芸部へと入部させられてしまう。心葉は遠子が首を突っ込む、様々な事件に巻き込まれていく――。思春期を感じさせる少年少女達の心の葛藤や、暗い心の記憶など、作品の持つ透明度から、映像化困難と言しめた作品が、Production I.Gの手によってついに映像化される。

おもなスタッフは、監督を多田俊介氏、アニメーション制作をProduction I.Gが務めるほか、脚本・構成を山田由香氏、キャラクターデザインを松本圭太氏、音楽を伊藤真澄氏がそれぞれ担当する。

メインキャスト陣が語る劇場版"文学少女"

ここで気になるキャスト陣だが、天野遠子役を花澤香菜、井上心葉役を入野自由、琴吹ななせ役を水樹奈々、櫻井流人役を宮野真守、芥川一詩役を小野大輔、姫倉麻貴役を伊藤静、竹田千愛役を豊崎愛生、森ちゃん役を下田麻美がそれぞれ担当することが決定している。そこで今回は、キャスト陣がドラマCDの収録時に寄せたメッセージをあわせて紹介しておこう。


――心に残っている小説、または作家と、その理由を教えてください

花澤香菜「たくさんあって選び辛いので、文学少女シリーズに出てくる文学作品の中で選ばせて頂くと、泉鏡花の『外科室』が印象に残っています。泉鏡花は文体が苦手でとっつきにくかったのですが、『外科室』のおかげで好きな作家になりました」

入野自由「『星の王子様』。"一番大切なものは目に見えない" この言葉がずっと心の中に残っています」

水樹奈々「水樹は本……といってもマンガや推理小説ばっかり読んでる子だったので文学小説に触れる機会が本当に少なくて……お恥ずかしい……。数少ない中、とても印象に残っているのは『アルジャーノンに花束を』です」

小野大輔「『夏の庭』(湯本香樹実)。学生の時に読んで、初めて『人の死』について深く考えた作品でした」

伊藤静「『アルジャーノンに花束を』。チャーリィの純粋さがとても心に響くのと、人間がよくわかる気がするから。『老人と海』は、何気なく手にとって読んでみただけなんだけど、静かに興奮しました」

豊崎愛生「梨木香歩さんの『裏庭』。学生のとき、ファンタジーの世界にどきどきしながら夢中で読んだ覚えがあります」

下田麻美「アイザック・アシモフさんの『われはロボット』です。実はつい最近知人に紹介されて読み始めたのですが、なんと50年以上も昔の作品とのことなんです。なのに、現在の科学の進歩をまるで知っていたかのように書きつずられてい て、これはすごい! と感じました。他にも、人間の欲望や偏見、逆に希望や努力に対しても、この作品を通して深く考えさせられるんです」

――原作についてご感想をお願いいたします。原作の世界観についてでも、担当するキャラクターについてでも結構です

花澤「原作ファンです。読み始めたら止まらなかったのですが、最終巻は読んでしまうのがもったいなくて、なかなか手がでませんでした。もともと読書が趣味なのですが、文学作品がそのまま出てくるという部分が面白くて、その作品を片手に『文学少女』を読んでいました」

入野「どんどんストーリーに引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました」

水樹「文学小説やその作家がキーとなって、様々なストーリーが展開していく……。推理モノ好きの水樹にはたまりません!!(笑)」

小野「とにかく面白いです。登場人物が統べからく過去を背負って生きているところが好きです」

伊藤「引用されている作品との絡みあいが絶妙だなと思います。その作品を知っている人にも知らない人にも効果的に挿入してあるのがすごいです。いつの間にかハマッて読み進めてしまいますね」

豊崎「原作を読ませていただいたときから、千愛ちゃんは演じてみたいキャラクターだったので、実際千愛ちゃんとしておしゃべりさせていただくことができてとても幸せです。透明感のある怖さに引き込まれ、一気に読んでしまいました」

下田「まだ原作を読ませていただいている途中なのですが、まるで推理小説を読んでいるみたいにたくさんの謎が絡み合っています。その謎の1つ1つが非常に興味をそそられるものであり、想像力をかき立てられます。遠子先輩が、本のページを食べ物のように口にいれるというのも、面白い設定ですよね。また、この作品を読むと、『人間失格』『嵐が丘』など、有名な作品の世界にも触れることができ、とても楽しいです」

――キャラクターを演じるにあたっての意気込みをお願いいたします

花澤「遠子先輩は物語の核になる重要なキャラクターなので、とにかく原作を読み込んで監督ともよく話し合って慎重に演じていきたいと思っています。ただ、遠子先輩がすごくのびのびとした明るいキャラクターなので、私ものびのび楽しく演じられたらいいなと思います」

入野「彼が心に抱えている闇と光! 表現していきます!!」

水樹「素直に自分の気持ちや感情を表現することができない「ななせ」……。めちゃめちゃカワイイです!! 彼女の不器用ないじらしさが出せるようがんばります!」

小野「寡黙な人ほど演じるのは難しい。彼の内面を台詞の中にしっかりと込めたいと思います」

伊藤「麻貴が醸し出す余裕と妖しさ、その後ろに隠れている感情を、わたしなりに表現できたらと思います」

豊崎「千愛ちゃんという女の子は、物語に深く関わってくるキャラクターです。可愛いだけでなく、彼女のもつ心の内面や深さを丁寧に演じられるようにがんばります」

下田「森ちゃんはななせの親友。ななせの恋をいつもより応援しています。恋する乙女にとって、親友の存在はいつだって頼りになって心強いものです。私もそんな頼れる親友を真剣に明るく演じていこうと思います」

――ファンの皆さんへメッセージをお願いいたします

花澤「文学大好きの少年少女にはたまらない作品になっていると思います。みなさん是非今後の展開を楽しみにしていてください!!」

入野「この作品はメチャクチャおもしろいです!! 原作のパワーに負けないよう、アニメチームも頑張ります!」

水樹「今回のドラマCDは本当にボリューム満点! 聞きごたえ抜群です! みなさん楽しみにしていてください♪」

小野「自分も今回原作を読んでファンになりました。本当に面白い作品です。キャスト一同丁寧に演じていますので、期待してお待ちください」

伊藤「原作も読めば読むほどハマりますが、アニメやドラマCDも、純粋にワクワクドキドキ楽しめる作品にできたらなと思っています。よろしくお願いします!」

豊崎「文学少女の、魅力的なキャラクターたちや透き通る世界観をぜひぜひ楽しんでください!」

下田「ドラマCD、劇場版と、様々な展開が広がる文学少女。活字でお楽しみいただいた後はぜひ音で! 映像で! 文学少女の世界をお楽しみ下さい」

劇場版だけでなく、ドラマCDやDVD付文庫の発売など、今後幅広い展開が行われる"文学少女"。なお、DVD付文庫のDVDにはProduction I.G制作のオリジナルアニメーション「"文学少女"の今日のおやつ~はつ恋~」(10分)や「劇場版"文学少女"プロモーションビデオ」などが収録される予定となっているので、こちらも要注目だ。

■ドラマCD
タイトル 『"文学少女"と死にたがりの道化』ドラマCD上巻
発売予定日 2009年10月21日 品番 LASA-5019
価格 3,000円
発売元 ランティス/GloryHeaven 販売元 ソニー・ミュージックディストリビューション
■DVD付文庫
タイトル DVD付特装版"文学少女"見習いの、傷心。
仕様 特装版オリジナル描き下ろしカバー
野村美月 イラスト 竹岡美穂
発売予定日 2009年12月26日
予約締切 2009年10月15日
価格 1,500円 (税別)
DVD収録内容 ・オリジナルアニメーション『"文学少女"の今日のおやつ~はつ恋~』(10分)
・スペシャルコンテンツ『劇場版"文学少女"プロモーションビデオ』
アニメーション制作 / Production I.G
発行元 エンターブレイン (ファミ通文庫)

劇場版"文学少女"は2010年公開予定。

■劇場版"文学少女" おもなスタッフ
原作 / 野村美月「"文学少女"シリーズ」(エンターブレイン ファミ通文庫刊)◆原作イラスト / 竹岡美穂◆監督 / 多田俊介◆構成・脚本 / 山田由香◆キャラクターデザイン / 松本圭太◆音楽 / 伊藤真澄◆アニメーション制作 / Production I.G◆製作"文学少女"製作委員会

■劇場版"文学少女" おもなキャスト
天野遠子 / 花澤香菜◆井上心葉 / 入野自由◆琴吹ななせ / 水樹奈々◆櫻井流人 / 宮野真守◆芥川一詩 / 小野大輔◆姫倉麻貴 / 伊藤静◆竹田千愛 / 豊崎愛生◆森ちゃん / 下田麻美
(C)2009 Mizuki Nomura/PUBLISHED BY ENTERBRAIN, INC./ "文学少女" 製作委員会