九州旅客鉄道(JR九州)はこのほど、九州新幹線用の新型車両「800系 U-007編成」を完成したと発表した。新型「800系」は、走行性能は従来車両と同一ながら、外観を一部変更し、内装をグレードアップさせているという。

新型「800系」の外観。ヘッドライトや帯の形が従来車と異なる

外観の特長はヘッドライトのカバーが凸型に膨らみ、車体から盛り上がったような造形になっている。これは鉄道車両としては世界で初めて採用されたデザインとのこと。また、先頭車両にはつばめマークの象嵌(はめこみ)が施された。白い車体のアクセントとなる赤い帯は、つばめの飛行をイメージした曲線や宙返りラインとなっている。

客室妻面に金箔や蒔絵など日本の伝統工芸を採用

客室に本物の木をふんだんに使用した

内装は従来車と同様、「鹿児島産の樟の壁」や「宮崎産山の桜の木」、「八代産のい草を使った縄のれん」を使って和をイメージしている。さらに新型では妻壁に金箔を使用し、額縁を設けて木彫り・蒔絵・彫金や博多織を飾っている。座席は座面を深く、リクライニング角度を大きく、背ずりを低く改良された。また、シート地は車両ごとに異なり、赤系の市松柄、ワインレッドの本革、カーマイン無地、アイビー柄ゴブラン織、オレンジ系ツイード、アイビー柄西陣織を採用したという。

同車両は9日に鹿児島中央駅で一般公開され、22日から定期運用を開始するとのこと。今後は2010年春から秋にかけて2編成が追加される予定。また、20日に鹿児島中央 - 川内基地間で小学生を対象とした体験ツアーを実施するという。