日本語文章能力検定協会は、第11回「心に響く三行ラブレター(以下、三行ラブレター)」の優秀作品を決定した。

三行ラブレターは、バレンタインデーやホワイトデーに向けて3行60文字以内の文章で大切な人に想いを伝えるというもの。1999年から毎年開催され、今年で11回目を迎える。

今回のコンテストでは、3歳から93歳までの幅広い年齢層から9,309通の応募があり、その中から最優秀賞、優秀賞、優良賞の計16作品を決定。公式サイト上で公開した。

同協会によると「今回は恋人に対する気持ちをつづったものに限らず、家族や先生、友達など身近な人への愛情を託した作品が目立ちました。でも、感謝の気持ちやねぎらいを率直に表現した作品が多く寄せられました」とのこと。

最優秀賞は、中島絵里さんの「『まだ彼氏と続いてるのか?』と探る父。『まだ続いてるのか。。。』と落ち込む父。 お父さん、そろそろ心の準備をお願いします」。寸評では、彼氏と幸せになってほしいけれど、それ以上に娘を手放したくない。父親の不安と落胆の声が、「?」と「。。。」でうまく表現されていると評されている。

優秀賞、優良賞は以下の通り。

作品
優秀賞(小学生部門) 耳が遠くて歯ぬけのじいちゃん。こんな木枯らしの日も漁に出ている。お風呂に入浴ざいをたっぷり入れとくよ。
優秀賞(中学生部門) 小さなことで泣くなと母さん 泣きたい時は泣きんさいとおばあちゃん どちらも私の心の糸がほどけた瞬間でした
優秀賞(高校生部門) 久しぶりに家に帰った夜ごはん。母が作ってくれたハンバーグ。ちょっとこげていても一つ残さずペロリ。
優秀賞(一般部門) お父さん、子供らも巣立ち2人になりましたね。また、しょうちゃんと呼んでもいいですか?
優良賞(小学生部門) おじいちゃんのまくら、おじいちゃんのにおいがするよ。おるだけで楽しかった。あのヤモリおらんなったよ。もっと遊びたかった。
ぼくの目ひょうはお母さんをおんぶすること。よろこんでほしいから。ありがとうって言われたいから。
優良賞(中学生部門) 君とまたこの廊下ですれ違う 今日こそはと思ったのに 手の中には勇気を出して書いた紙
仕事から家に帰ってきてすぐ風呂に入る父さん。「ハァーッ」っという父さんの声が聞こえてくる。父さん、毎日お仕事おつかれ様。
家族の目 独占している君だけど うちのとこにもかけてきて そのムニムニほっぺをつまませて
優良賞(高校生部門) 携帯にメールが届く 「ドキッ」としてメールを見る。でも、君じゃない
父ちゃんのデカすぎる背中。俺の方が20cmも背が高いのにな。その大きな背中が俺の目標だから。
「お前ほんまあほやなー」って笑う 君の笑顔が見れるなら うちはいくらでもあほになるで。
優良賞(一般部門) もうすぐ定年だ。一度、こちらの温泉に来ないか? 単身赴任で苦労をかけた君の背中を流すよ。
ハワイの海とかローマの遺跡とか そんなの誰と行ったって楽しいでしょう 駅前の商店街で幸せが湧いてくるのはきっとあなたとだけね
布団からはみだした体 いつか巣立つ日を想い ふと淋しさ こみあげる