東日本旅客鉄道(JR東日本)は7日、10月中に在来線用試験電車「MUE-Train」(ミュートレイン)が完成すると発表した。京浜東北線で使用していた209系電車を改造した7両編成で、11月より東北本線などで走行試験を開始予定。MUEの名は「[MU]ltipurpose [E]xperimental」に由来する。試験実施内容は首都圏を中心とした在来線の性能向上に関するもので、「車両の性能向上に関する開発」、「次世代車両制御システムの開発」、「営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発」の3分野とのこと。

209系電車を改造した「MUE-Train」

「車両の性能向上に関する開発」としては、空気バネ式車体傾斜機構の試験、降雨時のブレーキ力向上試験、台車の性能向上試験、走行する車両による風速の測定試験、WiMAX(高速データ通信)の検証試験を実施する。

「次世代車両制御システムの開発」としては、モーター・ブレーキの制御装置と指令・状態監視装置の試験を行う。「営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発」としては、レール、架線、保安装置などの状態を計測する小型の車両搭載用装置の試験を実施する。

同車両は複数の保安装置を搭載しているため、広範囲の路線を走行できるという。また、空気バネ式車体傾斜機構の試験では、特急車両と条件を合わせるため、車両の高さを低くし、錘を積んで重心を下げている。

白の帯色は、明るい未来、希望を表現

ロゴは[MU]ltipurpose [E]xperimental Train(多目的試験車)を表す