本田技研工業は、水冷4ストロークエンジンを搭載したモトクロッサー「CRF450R」をフルモデルチェンジするとともに、「CRF250R」の操縦安定性や出力特性などを向上させ、2009年型モデルとして10月14日より発売する。また、「CRF250R」に車体色にブラックを採用した「CRF250R・ブラックエディション」を受注期間限定で12月11日から追加発売する。受注期間は9月8日から9月30日まで。価格は、CRF450Rが86万1,000円、CRF250Rが66万6,750円、同ブラックエディションが68万7,750円。同シリーズは競技・遊技用であり、公道走行はできない。

CRF450R

「CRF450R」は、バッテリーレスの電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)を採用するとともに、エンジンを新設計として、燃費と出力特性を向上させた。リアサスペンションのレイアウトを見直すことでエアクリーナーボックスとスロットルボディーをつなぐコネクティングチューブをストレート化し、吸気効率を向上。排気系はマスの集中化を図るためマフラーの取り付け位置を前方に115mm移動させた。さらに、エンジンの排気ポートを左側に変更することで、適切なエキゾーストパイプの長さを確保している。マフラーはチタン材を採用し、騒音規制に適合させつつ、軽量化にも貢献している。

新設計のフレームや従来モデルより18mm長いスイングアームを採用。これにより加速重視の新ジオメトリーを実現させた。外観デザインは、ライダーがよりアクティブに動ける低いタンク、滑らかな側面デザインを取り入れ、操縦性の向上を図った。車体はマスの集中化を行いつつ、前・後輪の重量配分を見直すことで加速性能を高めている

「CRF250R」は、エンジンにユニカムバルブトレインを引き続き採用しながら、燃焼室形状を変更。高速域での出力を保持しながら、低中速域の出力が向上した。トランスミッションはシフトフィーリングを向上させ、ギアのダボ数を3ヵ所から4ヵ所に変更。車体色は、エクストリームレッドを採用し、シート上面表皮も赤を採用している。

また、2009年モデルのCRF450RとCRF250Rの共通変更点としては、新しいフロントフォークに合わせ、ステアリングの舵角と転舵スピードに応じてハンドルの減衰トルクを変化させる「Honda プログレッシブ ステアリングダンパー」のバルブ、および位置依存溝のセッティングを変更。また、前後ブレーキディスクと前後ブレーキディスクカバーを軽量化してデザインも変更している。

「CRF450R」の主な仕様は、全長2.191mm×全幅827mm×全高1.273mm、ホイールベース1.491mm、シート高954mm、車両重量106.9kg、水冷4ストロークOHC単気筒、449.7cm3(ボアφ96.0×ストローク62.1mm)、最高出力41.5kW(56.4ps)/8,500rpm、最大トルク50.3Nm(5.13kgm)/7,000rpm、キック式スターター、電子制御燃料噴射、タンク容量5.7L、タイヤサイズ:前80/100-21 51M、後120/80-19 63M。

「CRF250R」の主な仕様は、全長2.170mm×全幅827mm×全高1.277mm、ホイールベース1.477mm、シート高965mm、車両重量103.2kg、水冷4ストロークOHC単気筒、249.4cm3(ボアφ78.0×ストローク52.2mm)、最高出力31.6kW(43.0ps)/11,000rpm、最大トルク29.2Nm(2.97kgm)/9,500rpm、キック式スターター、キャブレター、タンク容量7.3L、タイヤサイズ:前80/100-21 51M、後100/90-19 57M。

CRF250R

CRF250R・ブラックエディション