10月19日に放送されるドラマ『天国のスープ』(WOWOW)の完成披露試写会が8月31日、都内で行われ、主演の国仲涼子と時任三郎が出席した。

『天国のスープ』で主演を務めた国仲涼子(左)と時任三郎

『越境者 松田優作』の著者で知られる作家・松田美智子の原作を、映画『おかえり』(ベルリン国際映画祭最優秀新人監督賞受賞作品)などで国際的な評価を受けている篠崎誠が監督。幻のスープを探し求める女性と心に傷を背負った料理人を軸に、ふたりを取り巻く人々の触れ合いと再生を描いた心温まるヒューマンドラマだ。

主演の国仲は、特許事務所で働くOLの杉村結子を演じる。入院中の母を介護しながら、1年前に死んだ姉が生前に食べて絶賛した"幻のスープ"を探し求める。「一番難しかったのがお母さんとのシーン。これといった親子の会話もなく、最初からお姉ちゃんのことについて凄く母と結子の間に大きな空間があり、それをどうやって埋めていくのかとか、凄く難しかったです。お姉ちゃんという大きな存在が結子と母の間を切り離していくような関係で、お母さんとのシーンは本当に難しくもあり、勉強になりました」と奮闘ぶりを語った。

時任は、洋風レストラン「マレミット」の雇われ料理人・岡本亮介役。オーナー夫妻から信頼されてシェフの代役を任されるが、幼い息子を事故で亡くし、妻とも別れて寡黙な日々を送る。「セリフが少なくて、最近物忘れの激しい俺でも出来そうだな~と(笑)。それは冗談ですけど、脚本を読んだ時、とっても温かいストーリーで是非やりたい役と感じました。料理人の役ということで、料理の先生方から特訓を受けましたが、料理自体、普段そこそこやりますので、楽しかったし全然苦にはならなかったですよ」と撮影を振り返った。

中野知美アナウンサーの司会のもと、国仲涼子と時任三郎がトークショーを展開

作品中に登場する数々のスープをはじめ、美味しい料理も見どころの一つ。どのスープも美味しかったと語る国仲だが、「結子と母とお姉ちゃんの3人で回想シーンに食べたシチューは、本当に美味しかったです! 全部食べちゃって、先生(同作品の料理指導・監修を担当した木下幸治)にお代わりをすすめられましたが、深夜の撮影でお代わりするとまずいので、今日はこれまでにしますと言いました(笑)」とお気に入りのメニューを見つけた様子だ。一方の時任は「僕が凄く感動したのは、野菜を煮たり蒸したものが物凄く美味しかったこと。スープを作る段階ですが、野菜の本来持っている美味しさがそのまま出ている感じでした」と語っていた。

トークショー中は、笑顔が絶えなかった国仲。「スープで心を温めて、温かい気持ちで見て下さい!」とアピール

「この作品は一つ一つのセリフがとっても味わい深い。スープを一口一口味わうように、この作品を味わって頂ければと思います」と時任

完成披露試写会では、作品に出てくる"幻のスープ"も登場した

『天国のスープ』

原作・松田美智子『天国のスープ』(文藝春秋刊)/監督・篠崎誠/脚本・東多江子/出演・国仲涼子、時任三郎、井川遥、伊東四朗、十朱幸代、床嶋佳子、田中圭、丘みつ子、寺島進、田中要次、神山繁、菅田俊、万田邦敏、芹川藍ほか