セクシーなピンクのドレスで登場した安良城紅

映画『ブラブラバンバン』の完成披露試写および舞台挨拶が28日、都内で行われ、主演の安良城紅、共演の足立理、今野成美、そして草野陽花監督が登壇した。原作は柏木ハルコの同名マンガ。安良城は気持ちのよい音楽を聴くとエッチな暴走キャラに変わってしまうという女子高生・芹生百合子を体当たりで演じている。

「芹生百合子はほぼ多重人格者と言っていいくらい、いろんな表情を見せなければならない役。普段は強がりで、あまり表情を出さないけれど、いい音楽を聴いた時だけ暴走してしまうんです。そのギャップを演じるのが大変でしたね。でも、あえてそこに注目してもらいたいです」と安良城。劇中では自分の吹いているホルンにトランペットで合奏した男子に飛びかかり、ボタンも弾けよとばかりに裸に剥くシーンも。

ホルンのほか、指揮も行う

なかなか集中しなかった足立は、共演の徳永えりに「練習しないで損するのは自分なんだからね」と叱りつけられたとか

主人公のコミカルな設定にばかり目が行ってしまいがちだが、作品の舞台は吹奏楽部。部員役の出演者は芝居と平行して各パートの楽器を必死に練習したという。クラリネットを担当する八田役の足立理は「撮影が終わったら吹いて、撮影のシーンがないときも音楽室にこもって練習してました。テレビでオーケストラの番組を見ていると、みんな無表情なんですよね。でもそこは映画としてウソをつきたいなと、なるべく表情を作るように努力しました」。

そして「もともとリズム感がないので大変だったんですけど」と笑うのは近野成美。「練習をしていると、周りの友達や共演してるコたちが来てくれて一緒にやろうよ、って言ってくれて。それがすごく嬉しかったですね」と撮影を振り返る。

近野成美はパーカッション担当

草野陽花監督

最後に草野監督が饒舌に作品への思い入れを語った。「柏木ハルコさんの原作は奇妙キテレツなんですね。僕は男のリビドーはわかるが、この作品は女性のリビドーを描いている。だから僕なりに"芹生百合子"を咀嚼して解釈しなければならない。鬱々とするくらい考え込んでましたね。でもある時ふと、「モンスター」という言葉が頭をよぎった。芹生というモンスターから熱が生まれて、バンドメンバーがかき回され、それが1つに収斂される。芹生も普通の女の子だったという着地点にもって行きたかったので、そこにバンドが1つになるというポイントを重ねて……。監督がこんなにペラペラ喋るのは下品だってわかってるんですけどね(笑)」。

最後に素晴らしいブラスバンドの演奏シーンがあるという。監督曰く、「ここだけでも、この映画を見る価値があるかも」ということなので注目したい。

それぞれのパートの楽器を持って

『ブラブラバンバン』は2008年3月、Q-AXシネマ、シネマート新宿ほかにて全国ロードショー。

(C)2007 「ブラブラバンバン」製作委員会