トヨタ自動車は、経済産業省の「水素・燃料電池実証プロジェクト」の燃料電池自動車実証実験に参画し、ヤマト運輸と協力して中部国際空港周辺地域で燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」による営業運行を実施すると発表した。

トヨタFCHVヤマト運輸仕様車

事業用貨物車として登録した燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」1台をヤマト運輸へ貸与する。ヤマト運輸は、常滑新開宅急便センターと中部国際空港間の配送業務で4月下旬より使用して実証実験を行い、トヨタはハイブリッド車の実用化に必要なさまざまなデータを取得する。今回のヤマト運輸仕様車は高圧水素タンクに最高35MPaの水素を貯蔵し、バッテリーにはニッケル水素電池を使用する。最高出力は122PS(90kW)、最大トルク26.5kg・m(260N・m)。

トヨタFCHVは、高圧水素ガスを燃料とする燃料電池とバッテリーを動力源としてモーターを駆動するハイブリッドシステムを採用する。水素を燃料とする燃料電池を採用していることで、CO2や窒素酸化物を排出せず、エネルギー効率が高く、静粛性に優れているとしている。

なお、FCHVは2002年12月に日米で限定販売され、2005年6月からは一部を改良した燃料電池車として国内で初めて形式認証を取得し、7月から限定販売を開始した。今回使用するFCHVは、トヨタが貨物使用用途に改造しヤマト運輸が事業用ナンバーを取得、車両外観を一新して、運行に必要な装備を追加している。