公文健太郎氏は「日本の農業」を撮影することをライフワークとして各地を精力的に飛び回る新進気鋭の写真家。美しい里山の姿、豊かな作物、自然と対峙する農家の人々を撮り続ける中で「日本の風景は農業の風景」と語る。その公文氏に今回はキヤノンの最新コンパクトデジタルカメラである「PowerShot G1 X Mark III」を発売前に使っていただき、率直な使用感を聞いてみた。

  • 公文健太郎
    1981年生まれ。雑誌や書籍、広告で活躍する新進気鋭の写真家。代表作として『耕す人』(平凡社)、『BANEPA―ネパール 邂逅の街』(青弓社)といった写真集も手掛けている

高画質・高機能とモビリティを兼ね備える「PowerShot G1 X Mark III」

「PowerShot G1 X Mark III」は、キヤノンのコンパクトデジタルカメラのフラグシップモデルであり、新技術やノウハウが惜しみなく投入されている。特筆すべき点は、前モデルである「PowerShot G1 X Mark II」と比較して約154gの軽量化と約14.8mmの薄型化を達成した上で、APS-CサイズのCMOSセンサーとEVF(電子ビューファインダー)を内蔵していることだ。持ち運びが容易でありながら高画質で高機能、まさにデジタル一眼レフカメラユーザーのサブ機としても十分なモデルである。

  • 約2,420万画素のCMOSセンサーを搭載した「PowerShot G1 X Mark III」。センサーはAPS-Cサイズで、前モデルである「PowerShot G1 X Mark II」の1.5型と比較すると約1.42倍に大型化されている。センサーの面積が広くなった分、より多くの光を捉えることができ、豊かな階調表現を実現している

その公文氏がPowerShot G1 X Mark IIIを携えて向かった先は長野県の飯綱町。県庁所在地である長野市の北部に位置し、標高1,917メートルの飯縄山の麓一面にリンゴ畑が広がる美しい町だ。きれいな空気と水、厳しい寒暖の差によって生まれるリンゴは高品質で知られている。撮影前夜から初雪が観測され、この日の朝は一面が銀世界。気温はマイナス3度で、冬の到来を感じる気温だった。

  • マニュアル F5.6 1/1000秒 ISO200 WB:太陽光(※試作機での作例)

上の写真は早朝の光がリンゴ畑に差し込む様子を捉えたもの。ハイライトもシャドー部分もしっかりと描写できており、デジタル一眼レフカメラ「EOS 80D」と同等のAPS-Cセンサーを搭載しているというのもうなずける一枚だ。

「G1 X Mark III」だからこそ撮れる写真

  • マニュアル F5.6 1/2000秒 ISO200 WB:太陽光(※試作機での作例)

先ほどよりも太陽が顔を出し、広がり始めた青空とリンゴの木が写されている。ベテラン農家の手によって緻密に剪定された木々のディティールがしっかりと描かれており、最新の画像エンジン「DIGIC 7」とAPS-Cセンサーによる画質のよさが伝わってくる。

  • 今回、公文氏はジャケットのポケットにPowerShot G1 X Mark IIIを入れて持ち歩き、撮影を行った。前モデルよりも一回り小さくなっていることから「常に携帯できるうえ、片手で撮れる軽さで、撮影チャンスを逃さずにすむ」と話してくれた

ちなみにリンゴ農家のウデは枝ぶりでわかるそうだ。農家の暮らしを写すことが多い公文氏は、常に相手の近くで撮影に臨む。人々の輪のなかに入っていけるからだ。農作業で忙しいなか、応対に時間を割いてくれていることに気を配り、ときには手伝いをしながら撮影するという公文氏。そうした撮影スタイルから、小型ですぐに構えて撮れる機動性の高さを評価していた。

  • マニュアル F6.3 1/80秒 ISO1600 WB:くもり(※試作機での作例)

リンゴ箱が置かれた薄暗い倉庫の中。PowerShot G1 X Mark IIIは、手ブレ補正効果が約4段と進化している。DIGIC 7のノイズリダクション処理によって、高感度時の解像感も向上している。手持ちで撮影した公文氏も納得の画質だと語っていた。

  • マニュアル F7.1 1/250秒 ISO200 WB:太陽光(※試作機での作例)

PowerShot G1 X Mark IIIは被写体に近づいてもよく撮れる。ワイド端(35mm版換算 24mm相当)は10cm、ズーム端(35mm版換算 72mm相当)は30cmまで被写体に寄ることができる。カゴのなかのサンふじから芳醇な香りが漂ってきそうな写りであり、背後の自然なボケ味もリンゴの美しさを引き立てている。

  • マニュアル F5.6 1/800秒 ISO200 WB:くもり(※試作機での作例)

続いて、農家の方がじっくりとリンゴを選別しているかの様に見える写真だが、収穫期にそんな時間の余裕は無い。実際はかなりの速さで作業を行っている。その瞬間を高速シャッターで捉えた一枚だが、PowerShot G1 X Mark IIIは「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載しているのでAFスピードが速く、瞬時に被写体を捉える。一つの画素で撮像と位相差AFセンサーの両方の機能を兼ね備えているのが、高速フォーカスのヒミツだ。これに加え、EVF(電子ビューファインダー)を覗きながら、液晶モニターに触れることで、AF枠を直感的に移動できる「タッチ&ドラッグAF」機能を使って撮影した写真だと公文氏は解説してくれた。

  • マニュアル F9 1/250秒 ISO200 WB:くもり(※試作機での作例)

上の写真は逆光を入れたアングルで撮影したものだが、フレアもゴーストもなく、「新設計のレンズ性能、とくにレンズコーティングにも完成度の高さが垣間見える」と公文氏は語る。ライティングをコントロールできるスタジオ撮影と違い、屋外でしっかりと全体を描写できる性能があるかどうかはプロにとって気になるところだが、その点もPowerShot G1 X Mark IIIはしっかりと応えてくれる。時間は午後2時を過ぎ、収穫作業もラストスパートを迎える。

唯一無二のコンパクトデジタルカメラに

今回、公文氏は「普段使っているEOS 5D Mark IVのサブ機になりうるのか?」といったテーマをもとにPowerShot G1 X Mark IIIを試用したそうだが、想像していた以上に、その完成度と小型化による機動性の高さに感動したそうだ。

「いい写真が撮れるとまた同じカメラを使いたくなるもの。AFが速いとテンポよく撮れるので、使っていて快適です」と語り、可動範囲の広いバリアングル液晶を使えば通常では撮りづらいアングルで収めることができるため、写真表現の幅が広がるとも話していた。

また、EVF(電子ビューファインダー)があるので、外光が強く、液晶モニターを見づらい場合も被写体をしっかりと見られるし、持ち歩きたくなるデザインも気に入っている点だと強調する。

  • 完成度と機動性の高さは、公文氏のような写真家にとっても大きなアドバンテージとなったようだ。また、EVF(電子ビューファインダー)を内蔵していることで、あらゆる場面で被写体をしっかりと捉えることができるのも、PowerShot G1 X Mark IIIならではの強みだと公文氏は語る

従来のコンパクトデジタルカメラは小型化・高画質化しても、どこかで無理をしていると感じていたことから、どうしても満足できなかったそうだが、PowerShot G1 X Mark IIIについては「いいカメラです! 自分用とスタッフ用の2台を購入します」と熱く語っていたのが印象的だった。

[PR]提供:キヤノンマーケティングジャパン