キヤノン「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」は、同社のミラーレスカメラ「EOS M」シリーズ用のマクロレンズだ。気軽に持ち運べる小型軽量レンズにもかかわらず、最大撮影倍率1.2倍の超接写ができ、角度ブレとシフトブレの両方を補正する「ハイブリッドIS」を搭載。さらに、レンズ前面にLEDを内蔵し、被写体の影を抑えたり、光によって質感を強調したりもできる。
こうした「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」ならではの特徴は、前回、前々回のレビューで取り上げたとおりだ。今回は少し視点を変え、ポートレートやスナップなどマクロ以外の撮影性能もチェックしてみたい。
スナップやポートレートにも好適な焦点距離
本レンズの焦点距離は35mm換算で44.8mm相当となる。いわゆる“標準レンズ”であり、スナップやポートレート撮影にも使いやすい焦点距離といっていい。誇張を抑えつつ、自然で素直な写りが得られる。
人物と向かい合って撮る際に、相手との適度な距離感が保てるというメリットもある。次の2枚は、江の島にある食堂の片隅で、話しかけながら撮影したもの。かける言葉によって、変化する一瞬の表情を逃さず捉えられるのはカメラとレンズの性能のおかげである。
絞りは、開放値のF3.5を選択。手前のかき氷と背景の食堂の様子が適度にぼけて、ピントの合った人物のみがスッと浮かび上がった。その場の雰囲気を生かすには、これくらいのボケがちょうどいい。
さらに、江の島の西側にある稚児ヶ淵まで足を伸ばした。切り立った断崖に荒々しい波が押し寄せる絶景ポイントだ。ここでは、彼女に2時間サスペンスの犯人役になりきってもらい、シリアスな表情を狙ってみた。
足場が少々不安定な岩場での撮影だったが、レンズもカメラも小型軽量なので、軽いフットワークでさまざまなアングルから撮ることができた。「EOS M3」に装着時のバランスは良好で、チルト液晶との相性もいい。AFについては、スピーディに作動する。動きのあるシーンや逆光条件でも、高い確率で狙いどおりピントが得られた。
今回のロケを通じて、「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」はマクロだけでなく、スナップやポートレート、風景の撮影用に十分役立つレンズという実感を受けた。44.8mm相当という、広範囲に使いやすい焦点距離も気に入った。
例えば、上のネコ写真のように、対象にグッと近寄ったうえで遠近を意識した構図を選べば、広角的な写りになる。逆に、冒頭の望遠鏡の写真のように少し離れた位置から、風景を切り取れば望遠的な写りになる。使い方次第で、広角的にも望遠的にも写せる、応用力の広い焦点距離である。今回のように、あえてこの1本のみで撮影旅行に出掛けるのも面白いだろう。
もちろん、標準ズームや望遠ズームなどほかのレンズと組み合わせて使うのもいい。わずか130gの軽量なので、カメラバッグに入れておいても負担は最小限で済む。「EOS M」シリーズのユーザーなら、表現力を広げる1本として是非入手したいレンズである。
モデル:市原彩花
ロケ協力: 食堂 遊覧亭
(マイナビニュース広告企画:提供 キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
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