身近なものも新鮮に写るスーパーマクロの実力
何を撮っていいのか分からない……。面白い被写体に出会えない……。写真撮影のビギナーの中には、そんなことを言う人がときどきいる。ビギナー以外でも、被写体探しに苦心している人は少なからずいるようだ。だが、きれいなものや珍しいものだけが被写体ではない。日常生活の中にある普通のものでも、撮り方の工夫次第で面白い写真に仕上げることは可能だ。
次の2枚の写真を見てほしい。1枚目は、引き出しの中にあった米国25セント硬貨を日本の100円玉に並べて撮ったもの。2枚目は、今晩調理する予定の赤ピーマンだ。
こんな身近なものでも、クローズアップで迫ることでインパクトの強い写真になる。日常を見つめ直すことで、新しい発見が生まれる、というのは言い過ぎだろうか。ともかく「超接写」は、撮るものに迷ったときの有効な解決手段になることは間違いない。
ただ注意したいのは、どんなレンズでもこんな写真が撮れるわけでないこと。ここで使用したのは、キヤノンのミラーレス用マクロレンズ「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」だ。等倍を超える1.2倍の撮影倍率や、細部を明るく照らす内蔵LEDライトといった、このレンズならではの機能と性能があるからこそ、ふだんは隠れていた被写体の魅力を、写真としてきっちりと引き出すことができたのだ。
ちなみに世の中にあるマクロレンズの多くは、撮影倍率が1倍(等倍)であり、1倍以上を実現している製品は少ない。「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」の場合は、通常モードで倍率1倍に対応し、さらにスーパーマクロモードに切り替えることで倍率0.7~1.2倍の範囲で撮影可能になる。その倍率のスゴさをここであらためて確認してみよう。