【特別企画】

卵を食べ過ぎると○○○は都市伝説だった!? 卵とコレステロールの関係とは

健康診断なども増えるこの季節。ご自身の健康をなんとなく意識し始める方も多いのではないだろうか?そんな中でも普段気にはしていても、なかなか自己管理が難しい「食生活」。今回は、そんな「食生活」に悩みを抱える、とある編集者の健康診断後に密着してみた。

プロフィール

マイナビニュース編集部のA君
卵大好きなインドア派

先日の健康診断でコレステロール値が前年より上がっていた編集部A。思い当たるフシといえば、大好きな卵かけごはんを食べ続けたことぐらい。

子どもの頃、母親から言われた「卵は一日一個まで!」という言葉が今になって身に染みる……。しかもコレステロールの摂り過ぎは脳卒中や心臓病のリスクが高くなると先輩にも言われてしまった。

ついに卵かけごはんと決別の時を迎えなくてはいけないのか!? それでも卵がけごはんを諦め切れないAは、本当に卵を食べるとコレステロール値が上がるのか、詳しい専門家に話を聞いてみることにした。

コレステロール値が前年よりも……

コレステロール値が上がったのは卵のせいなのか……

「卵はコレステロール値上昇の原因」は“都市伝説”みたいなもの!?

今回お話をうかがったのは、農学博士の矢澤一良先生。“食と健康”をテーマに早稲田大学で研究をしている。

「卵を食べるとコレステロール値が上がるというのは本当なんですか?」とおそるおそる聞いてみると、開口一番「確かに卵はコレステロール含有量が多いですが、卵を食べるとコレステロール値が上がるというのは“都市伝説”みたいなものなんですよ」と矢澤先生。

聞くところによると、厚生労働大臣が5年ごとに定めるガイドライン「日本人の食事摂取基準」の2015年版で、コレステロールの摂取制限がなくなったそう。

早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構(研究院教授)矢澤先生

「まず大前提として、コレステロールというのは、細胞膜やホルモンの原料であり、人間にとって必要な成分。その必要量の70~80%が肝臓、残りは食事から摂取されているんですが、人間の身体には、食事で摂ったコレステロール量に応じて、肝臓で生成する量をバランス良く調整してくれる機能があるんです。

最新の研究では、食品でコレステロールを摂り過ぎても、血中コレステロール値が跳ね上がるということはないという科学的根拠も得られています。 人によって遺伝的にコレステロールのコントロールが不得意な方などはこの例には当てはまりませんが、卵を食べ過ぎるとコレステロール値が上がることは原則としてありません」

ホッとしたのと同時に、栄養価をうまくコントロールしてくれている自分の身体を改めて大事にしようと思ったA。

普段の食生活でもコレステロールを気にする人が多い昨今、食事から摂取するコレステロールは20~30%にしか過ぎないという話に少々拍子抜けしてしまった人も多いのでは? それにしても、なぜそんな“都市伝説”が出回ったのだろうか。

「1913年にロシアの病理学者がうさぎにコレステロールを与える実験をしたところ、大動脈にコレステロールが沈着し、動脈硬化が起こりました。

しかしこの実験には、もともと植物しか食べないうさぎに動物脂肪であるコレステロールを与えたという大きな問題点がありました。もともと植物しか食べないうさぎに、突然動物性脂肪を与えても、体内でうまく処理することが出来ないのでそのまま大動脈にコレステロールが沈着します。

それが原因となり、動脈硬化が起こってしまっていたのです。当然、この実験結果は、雑食の人間には当てはまりませんよね。しかし、この実験がきっかけとなり、消費者に大きな誤解を招いてしまったのです」

そうだったのかぁ!!

100年ほど前の誤った研究報告が一人歩きし、“動脈硬化を引き起こす要因”として考えられてきたが、本当はそうではないということが分かった。疑問が解消すると、次は卵に関する栄養が気になるところだ。

命のエネルギーが濃縮した卵は生活習慣病予防にも最適

さて、卵に対する誤解も解決できたので、今度は卵に含まれる栄養価について話を聞いてみた。

「まず卵というのは、鶏から産み落され殻の中で成長しますが、生まれた後も自分でエサを食べられるようになるまで相当のエネルギーが必要です。 言い換えれば、卵に含まれる栄養素だけで雛は育つわけですから、卵の中には“生きるために必要な栄養”がたくさん詰まっているんです」と矢澤先生。

「卵の殻にはカルシウム、卵白には高品質のたんぱく質が含まれています。このたんぱく質は、体内で作り出すことができない8つの必須アミノ酸から作られています。 中でも豊富なのは、(※1)シスチンと(※2)メチオニンからなる含硫アミノ酸。 血中コレステロール値を適度なバランスに保ち、動脈硬化を予防するHDL(善玉コレステロール)を増やす機能があります。コレステロールを気にする人にとっては、頼もしい存在ですね」

そして何と言っても栄養素の宝庫と言えるのが、卵黄らしい。

「コレステロール値を下げるレシチン、動脈硬化を予防するDHAなどの必須脂肪酸、抗酸化成分のビタミンEやβ-カロテンなどのビタミン類、亜鉛、カルシウム、リン、鉄といったミネラルも豊富に含まれています」

矢澤先生のことばを借りれば「命のエネルギーが濃縮した食品」である卵。いろいろな栄養が含まれている分、生活習慣病の予防にも役立つと矢澤先生は続ける。

「まずたんぱく質が増えると、免疫力や基礎代謝がアップして生活習慣病の改善につながります。そしてレシチンに含まれるコリンは、血管壁にへばりついたコレステロールや血液中の中性脂肪を除去します。?その結果、血液がサラサラになり、血管のつまりから起こる動脈硬化を防いでくれるんです」

そしてこのコリンという物質は、脳の活性化や老化防止にも役立つ優れモノらしい。

「最近の研究では、コリンが脳に入ると、アセチルコリンという神経伝達物質に変わって脳の働きが活発になり、学習能力や記憶力が高まることが分かりました。さらに、アセチルコリンは血管を広げて血圧を下げる効果もあるので、脳梗塞の予防にもつながります。同じく卵黄に含まれるDHAも脳細胞の働きを活発にするので、卵は脳の老化防止に効果的だと言えるでしょう」

最後に矢澤先生は悩めるAの背中を押してくれた。「卵は完全栄養食品ですから、生でも、ゆでても、焼いても、効能に変わりはありません。1日2個以上は食べてもらいたいですね。私も毎日食べていますよ!」

長いこと「生活習慣病のリスクが高くなる」と濡れ衣を着せられていたものの、実は完全栄養食品だった卵。もちろん、どんな食品も食べ過ぎには注意したいところではあるが、栄養素をバランス良く摂れる、卵をこれからも食べ続けよう!と心に誓うAだった。

※1シスチン:硫黄を含むアミノ酸の一種。
※2メチオニン:栄養上必須の含硫アミノ酸の一種。

取材協力

・矢澤一良先生プロフィール

農学博士
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構(研究院教授)
「日本を健康にする!」研究会会長
日本機能性食品医用学界理事
NPO法人健康食品フォーラム理事
著書に「ヘルスフード科学講座」(食品化学新聞社)「機能性おやつ」(扶桑社)など全著書100冊以上。学術論文(全論文130報以上)、特許出願300件以上。

(マイナビニュース広告企画:提供 日本養鶏協会)

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