2月27日、ASUSから自作ユーザーとゲーマー注目のグラフィックスカード「POSEIDON-GTX780-P-3GD5」が発表された。ゲーマー向けハイエンドシリーズとして名高い「R.O.G.」ブランドの製品となる本機は、一見すると2基のファンが目立つオリジナルクーラー搭載モデルに見える。

しかし実はこのクーラー、空冷のみならず本格的な液体冷却にも対応した新設計のもの。ギリシア神話の海神「ポセイドン」の名を冠した理由は、この液冷+空冷対応クーラー「DirectCU H2O」を搭載し、本格的な液冷が行えるからだ。

POSEIDON-GTX780-P-3GD5

本格液冷+空冷による強力な冷却を行う「POSEIDON-GTX780-P-3GD5」

「POSEIDON-GTX780-P-3GD5」の側面には「G1/4ネジ」に対応するホースソケットが備えられており、市販されているさまざまな液冷システムに簡単に組み込むことができる。

GPUには直接ベイパーチャンバーが密着されており、内部を通る液冷パイプによって、効率よく熱を移動させる。また3本のヒートパイプがベイパーチャンバーに取り付けられているため、通常の空冷クーラー同様にヒートパイプ+放熱フィン+ファンでの冷却も可能。液冷+空冷のハイブリッド冷却により、グラフィックスカードを強力に冷却するのはもちろんのこと、液冷を使用せずに空冷のみで使用も可能なのもウリといえるだろう。

空冷クーラーの他にG1/4ネジに対応するホースソケットが備えられており、液冷にも対応できる

液冷+空冷ハイブリットクーラーを搭載しながらも2スロットに収まる。この角度から見ると、液冷に対応しているようには見えない

リファレンスモデルのみならず、同社製OCモデルをも超える動作クロック

GPUには「NVIDIA GeForce GTX 780」を採用。リファレンス仕様では、コアクロックが863MHz、ブーストクロックが900MHzとなっているが、「POSEIDON-GTX780-P-3GD5」ではコアクロックが954MHz、ブーストクロックが1,006MHzと大幅に引き上げられている。

■各モデルの仕様比較
製品名 POSEIDON-GTX780-P-3GD5 GTX780-DC2OC-3GD5 リファレンス仕様
GPU NVIDIA GeForce GTX 780
コアクロック 954MHz 889MHz 863MHz
ブーストクロック 1,006MHz 941MHz 900MHz
本体サイズ 約W287×D137×H41mm 約W287×D147×H41mm 約W287×D111×H38mm

同社のGTX780採用OCモデルとしてクーラーに「DirectCU II」を採用した「GTX780-DC2OC-3GD5」があるが、コアクロックが889MHz、ブーストクロックが941MHzであり、こちらと比較してもかなりクロックを引き上げていることが分かるだろう。空冷でも動作することを前提に設計されていることを考えると、「DirectCU H2O」の冷却能力はかなりの高さであることが予想できる。

裏面は、他のASUS製ハイエンド製品同様バックプレートで覆われており、放熱とカード本体の保護に一役買っている

接続端子はDVI-D、DVI-I、HDMI、Display Portをそれぞれ1基ずつ備える

しかし、昨今は手軽に導入できる簡易液冷タイプのCPU/GPUクーラーが人気を集めている。そんな中あえて液冷用にホースソケットを搭載し、しかも空冷とのハイブリッド構造にするという「手間とコストのかかる」設計をしてまで市場に投入したのはなぜなのだろうか。製品レビューの前に、まずはASUSに話を聞くことにした。

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