異色の経歴を持つレスラーが集まる「アイスリボン」

mixiコミュニティー上のプロジェクトとして06年に発足した「アイスリボン」は、09年に法人化。専業選手、主婦、OL、芸能人、学生と、多彩な人々が集う異色のグループである。

「等身大の女の子たちががんばる姿を生で表現している感じですね。時には泣いて試合をしたり、『試合をしたくない!』って言ったり、前は途中で帰っちゃった子もいました。本当の感情が出ています」

藤本つかさ選手

団体の特徴をこう語る藤本は、広告代理店の営業職を経て芸能界入り。出演したテレビ番組の企画がきっかけでこの世界に入った。7月で29歳。サッカー漫画『キャプテン翼』の作者である高橋陽一監督が率いる「南葛シューターズ」では、フットサルもプレーしている。

東京都に住むくるみは、「学校の友達に『試合あるんだ!』って言うと『がんばって!』ってメールが来たりします」。茨城県在住のつくしも「友達は知らないけど、学校の先生は後楽園ホールに観に来てくれます!」と話す。平日は中学校に通う2人は、週末だけの参加となる。金曜の夜から寮に泊まり、練習や試合を終えた日曜の夜に帰宅するのだ。「疲れるけど、自分のためだと思ってやってます。まだちょっとしか生きてないけど、この『アイスリボン』はきっと思い出になる」とくるみが笑えば、つくしもこう宣言する。「中学生でもプロレスラーになれるんだって伝えたいし、プロレスラーになって色んな人とも出会えた。死ぬまで続けたいです!」

大人だらけの空間での生活から、感じたことは。答えに詰まったくるみに代わり、藤本が話した。「入ったばっかりのころは、あいさつも返事もできなかったんですよ。『こういうときはこうするんだよ』と2人に教えていったら、だんだんそれ(あいさつなど)ができるようになった。今はそれが当たり前だと思って接しているんですけど、同じくらいの年の練習生が入ったら、その子たちは全然。そう考えると、2人は成長したんだなって思います」

熊本県生まれで、お茶の水大学出身の成宮は、勤めていた「御香屋さん」を辞めてプロレスを始めた。27歳となった今は、スポーツインストラクターをしながら寮住まいを続ける。「プロレスが大好きで、今は毎日が幸せなんです。『アイスリボン』は、自分の生活にとって大事なもの。失いたくない」先輩にあたる2人のキッズレスラーのことは、「つくしさん、くるみさん」と呼ぶ。「前の仕事では、割と年上の方と付き合わせていただくことが多かったんです。でもここでは、中学生のつくしさん、くるみさんからも学ぶことがあります。」

金曜の夕方、中学校の制服を着た「先輩たち」が丁寧なあいさつをして道場入りする。成人した「後輩」は、「自分もしっかりしなきゃな」と思うのだ。

つくし、くるみとは同期入団の帯広は、地元での看護士生活にピリオドを打ち道場の門を叩いた。2010年のデビュー後はしばらく、家族にも内緒で戦っていた。「今は親も19時女子プロレスで応援してくれています。どんなところでも刺激はあるんですけど、ここでは毎日、新しい発見や気付かされることが多い。いろいろと悩んだのですが、この場所は最後の砦だった。今は、ここに自分の居場所がある。後悔はないですね」

合言葉は「プロレスでハッピー!」

合言葉は『プロレスでハッピー!』

さまざまなバックグラウンドを持った人たちが、プロレスという一つの大好きなことに没頭している。仲間たちを見て、藤本はこう締めるのだった。

「合言葉は『プロレスでハッピー!』。勝っても負けてもハッピー。それが『アイスリボン』なのかなと思います!」

さて、仕掛け満載のクラウド型デジタルコンテンツ配信サイト「Fan+(ファンプラス)」で配信されている動画満載の『月刊アイスリボン』では、こんな彼女たちの魅力を堪能できる。リング上のコスチューム姿のみならず、私服でのオフショットも観られるようだ。是非チェックしてほしい!

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