老舗PCパーツショップのTSUKUMOがリリースするPCブランド「eX.computer」は、BTOメニューによりきめ細かいカスタマイズに対応していることで定評がある。特にデスクトップにおいては、ミドルタワーやスリムタワー、ミニPCなどさまざまな製品ジャンルが用意され、多彩なニーズに応えてくれることが大きな魅力だ。そのeX.computerに、新たな製品ジャンルが満を持して加わった。それが今回紹介するeX.computerのノートモデル「N156Jシリーズ」である。

ハイスペックでほかのスタンダードサイズノートと差別化

新たにeX.computerブランドに追加されたノートPC

今回投入された製品は、15.6型ワイド液晶を搭載したスタンダードサイズのノートPCだ。実はこのサイズのノートPCは日本国内でもっとも需要が高く、そのため多くのPCメーカーから数多くの製品が市場に投入されている。だがこれらの製品は、売れ筋の価格帯に投入するため、スペック的に横並びとなってしまっている場合が多い。言い換えると、突出した性能を持つ製品は少数派ということになる。

だがeX.computer N156Jシリーズは、こうしたスタンダードノートとは一線を画す製品となっている。同シリーズには、Core i5-3120M(2.50GHz、最大3.10GHz)+HDD500GBの「N156J-500A/S」、Core i7-3610QM(2.30GHz、最大3.30GHz) +HDD500GBの「N156J-710A/S」、Core i7-3610QM+SSD120GBの「N156J-820A/S」という3モデルが用意されるが、すべてのモデルでグラフィック機能にNVIDIA GeForce GT650M(ビデオメモリ2GB)を採用、しかもディスプレイは1,920×1,080ドットのフルHDとなる。ちなみに前述したスペック横並びのノートPCは、CPU内蔵グラフィック、解像度1,366×768ドットのディスプレイというのが相場。明らかにeX.computer N156Jシリーズは頭ひとつ抜きんでた仕様となっており、デジタル一眼レフカメラのRAW現像や映像編集、PCゲームプレイといった、スタンダードノートには荷が重い作業も快適にこなせる。


3モデルが用意されたeX.computer N156Jシリーズ。N156J-500A/Sは79,980円~、N156J-710A/Sは84,980円~、N156J-820A/Sは94,980円~となっている。Core i7、フルHD液晶、外部グラフィックを搭載したノートが8万円台から購入できるのも魅力だ

1,920×1,080ドットのフルHDディスプレイを採用している。1,366×768ドットのディスプレイに比べ、約2倍の情報表示量となる。高解像度の画像や映像を楽しむのに最適だ

高性能と低消費電力の両立が最大のメリット

さて、パソコンに高性能を求めるのならば、デスクトップのほうが有利と考えるユーザーも多いだろう。確かにデスクトップのほうが、より高性能なマシンに仕立てられる。だが、当然のことながらデスクトップは設置スペースのコストが高く、しかも操作する場所が1箇所に限られる。前述したRAW現像や映像編集、PCゲームプレイをリビングや寝室など、場所に縛られずに行いたいというニーズには応えられない。その点eX.computer N156Jシリーズは、そういった作業を快適にこなせるパフォーマンスを持ちながら、好きな場所で扱える利点を持っている。さらに、消費電力が低いという、モバイルアーキテクチャならではの利点もあるのだ。

そこで、Core i7-3770K(3.50GHz、最大3.90GHz)とAMD Radeon HD7850を搭載したゲーム仕様のデスクトップと、eX.computer N156J-710A/Sで各種ベンチマークを走らせ、消費電力にどのくらいの差があるのか調べてみた。なお、デスクトップPCは22型ワイド液晶の消費電力込みの数値だ。

まず、CPUのリソースで3Dレンダリングを行う「CINEBENCH R11.5」でテスト。N156J-710A/Sはベンチマーク中、システム全体の消費電力が約90Wだったのに対し、デスクトップは約140Wとなった。当然、スコアはデスクトップ用CPUのほうが高かったが、1Wあたりのスコアを算出すると、N156J-710A/Sが約0.66pts、デスクトップが約0.53ptsとなり、前者のほうが効率が高いことがわかる。ただし、使用しているデバイスが異なるため、単純な比較にはならない。あくまで参考程度と考えてほしい。

●CINEBENCH R11.5(CPU)
テスト機 消費電力 スコア
N156J-710A/S 約90W 5.93pts
比較用デスクトップ 約140W 7.40pts

続いて「3DMark11」を実行中の消費電力とスコアをチェック。N156J-710A/Sの消費電力はおおむねデスクトップの1/3ほどで済み、スコアは約半分という結果になった。3DMark11ではグラフィックボードに負荷がかかり、デスクトップシステムの消費電力が大幅に増加した格好だ。このほか「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト」や「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」をテストしたが、N156J-710A/Sは60~95W、デスクトップは180~210Wという結果となった。

●3DMark11(Performance設定、1,280×720)
テスト機 消費電力 スコア
N156J-710A/S 60~75W P2367
比較用デスクトップ 170~210W P5573

ヒートパイプでCPUとグラフィックチップを結び、ノートとしては大きめのシロッコファンで冷却する仕組み

また消費電力のほか、動作音が静かというメリットがノートPCにはある。デスクトップはCPUクーラー、ケースファン、グラフィックボードのクーラーなど、複数のファンが備えられ、負荷がかかるゲーム中にフル回転することがある。だが、eX.computer N156JシリーズはCPUとグラフィックチップを1基のクーラーで冷却する仕組みで、明らかにベンチマーク中の動作音は静かだった。