まず、注目したい省エネ機能は「ECOボタン」だ。これはキーボード上部にあるECOボタンを押すだけで、PCを省電力モードに移行できるというもの。ワットチェッカーで消費電力を測定したところ、何も処理を行っていないアイドル時では、ECOボタンを押すだけで消費電力は15Wから10Wまでグッと減少した。

ECOボタンはキーボードの上部に用意されている

しかし省電力モードの標準設定では、液晶の明るさが半分程度になるのはいいとして、有線LAN/無線LANともに無効、オーディオはミュート、光学ドライブおよびメモリカードリーダーまで使用不能と、非常に不便になってしまう。そこで、最低限インターネットは楽しめるように、付属の「省電力ユーティリティ」を使用して無線LANとオーディオだけは有効になるよう設定を変更してみた。その場合のアイドル時の消費電力はわずかに11W。

続いて試しにYouTubeでフルHD解像度の動画を再生したところ、ECOボタン無効時は28~34Wだったが、ECOボタン有効時は21~26Wまで消費電力が下がった。無線LANとオーディオが有効の状態でも、ECOボタンは十分に効果があるといえる。もちろん、必要に応じてCD/DVDドライブも有効にできる。目的に合わせて節電の設定を変更が可能なのも魅力だ。

ちなみにハイエンドなデスクトップPCではアイドル時でも消費電力が100Wを超えることが珍しくなく、高負荷時には200W以上に達することも。この数値からも、「LIFEBOOK SH76/DN」とECOボタンの組み合わせがいかに省エネかわかるハズだ。

YouTube再生時(フルHD解像度)の消費電力
ECOボタン無効 28~34W
ECOボタン有効 21~26W

フルHD再生時のECOボタン設定。無線LANとオーディオを有効にして、YouTubeの動画を楽しめる設定にしている

このほか、省エネ機能で注目しておきたいのが、「ECO Sleep」機能と「LIFEBOOK SH76/DN」に標準添付される「ゼロワットACアダプタ」だ。ECO Sleepは、電源オフや休止状態のとき、バッテリの充電が完了するとACアダプタからの電源供給を自動的に抑えるという便利なもの。さらに、ゼロワットACアダプタは電源オフや休止状態のときACアダプタからの給電を限りなくゼロに近づけ、消費電力を削減してしてくれる。その結果、ECO Sleepをオフにし、通常のACアダプタを使用したときに比べ、実に約75%も消費電力のカットを実現。PCを使っていないときのムダな電力を徹底的に抑えてくれる。

「ECO Sleep」は付属の専用ユーティリティで有効にできる

また、本連載の第1回・第2回でも紹介している「人感センサー対応Webカメラ」も搭載。PCから離れると自動的に画面をオフにしてくれる便利な機能だ。ECOボタンと合わせることで、より省エネを期待できる。電源オフや休止状態でもUSB経由で充電するタイプのデバイスに充電を行える「電源オフUSB充電機能」も搭載する。

人感センサー対応Webカメラを実現する「Sense YOU Technology」も搭載

「電源オフUSB充電機能」は専用ユーティリティで有効化することで利用できる