コンパクトさのなかにもパフォーマンスに妥協は無し

最後にパフォーマンス。モバイルを追求するPCでは、サイズやバッテリ駆動時間延長などの理由から、クロックを落とし、キャッシュメモリも減らした低消費電力版CPUを採用することが多い。しかしThinkPad X200は違う。ThinkPad X200が採用しているのは、動作クロックが2GHz台のデュアルコアプロセッサ「Intel Core 2 Duo P8000シリーズ」だ。モバイルで2GHzのデュアルコアCPUが必要だろうか、と疑問を持つ方もいるかもしれない。最近では性能とコストを抑えたネットブックも人気を博している。もちろん業務内容に依ることは承知だ。ただ、ビジネスではキーを押せばすぐさま答えを返すレスポンスが求められる場面が往々にしてある。普段の業務机の上での効率をモバイルでもそのままに維持するには、このくらいのCPUはやはり必要なのだと言えるだろう。

ThinkPad X200の裏面にあるカバーを開けると、2基のメモリスロットが現れる。このメモリスロットはPC3-8500(DDR3-1066)に対応しており、最大4GB(2GB×2)まで拡張が可能だ

一方でバッテリはというと、軽量でスッキリ収まる標準の4セルタイプが約3.8時間駆動(構成によって異なる)。このほかダイレクトサイトのBTOではバランス良い6セル、長時間駆動を実現する9セルも選択でき、また、オプションとして購入することも可能だ。9セルバッテリは少々の出っ張りと重量増は仕方無いが、最長9時間というロングバッテリライフが実現する。

標準の4セルに加え、6セル、9セルの大容量バッテリと、豊富なバッテリオプションが用意されている。高いCPUパフォーマンスを求めつつも、長時間駆動が可能だ

また、ThinkPad X200は、ストレージにモバイルノートブックでは一般的な2.5型HDDを採用している。もちろん企業内ではそう簡単に内蔵HDDを交換するということはできないだろうが、いざ、という場合に純正交換部品を取り寄せる際も、2.5型サイズのストレージは1.8型ストレージよりも容量が大きくコストも安い。さらに個人で利用する場合には、入手性でも2.5型ストレージの方が楽である。最近、日進月歩の進化を見せるSSDも、2.5型ならば各社から製品が豊富に登場しており、ThinkPadを末永く利用するという面でも恩恵があると言えるだろう。

ThinkPad X200は2.5型サイズのストレージを採用。モバイルノートでは1.8型ストレージを採用する製品も多いが、例えばHDDの容量では1.8型は大体250GB程度までであるのに対し、2.5型では500GBも可能とその差は歴然。さらにSSDに関しても2.5型の製品が主流であって、入手性で1.8型とは大きな開きがある

そのほか、企業内で重要となるのがセキュリティとネットワークだろう。まずThinkPad X200のセキュリティ機能から紹介していくと、ハードウェアセキュリティチップの「TPM」、オプションの指紋認証センサ、セキュリティロックスロット、オプションのHDD暗号化など、企業内で求められるセキュリティ機能をフルに備えている。また、ネットワーク機能も、有線LANは100Base-T/100Base-TX/10Base-T、無線はIEEE802.11a/g/nに対応している。まだ部門の有線ネットワークが100Base-TXだったり、無線ネットワークがIEEE802.11gだったりということも有るかと思われるが、ノートブック側が古めの規格に加えてひとつ上の規格まで搭載していることは、将来を考慮する上でも非常にメリットがある。

ThinkPad X200では、Intel WiFi Link 5100AGNまたは同5300AGNが採用されている。IEEE802.11a/g/nに対応しており、無線接続による可搬性と高いスループットを利用することが可能だ

底面にはThinkPad X200ウルトラベース用のインタフェースも搭載。有線LANやUSBキーボードにマウス、ディスプレイケーブルなどを接続でき、業務机からモバイルへスピーディー移行できる