米国時間1月12日(日本では13日)、Internet Explorerのサポートポリシーが変更されました。各OSで使用可能な最新のInternet Explorerは引き続きサポートされるため、OSやコンポーネントを正しく更新してきたユーザーであれば、特に大きな問題にはなりません。しかし、サポート対象外となったInternet Explorerについては1月13日以降、更新プログラムやサポートオプションが提供されません。つまり脆弱性が見つかった場合、常に攻撃者に狙われることとなります(図01)。
さて、Windows 10のWebブラウザーといえば、Microsoft Edgeが標準ですが、一部の環境では「お気に入り」の移行でトラブルが発生しているそうです(図02)。
Internet Explorerのお気に入りは「%USERPROFILE%\Favorites」フォルダー。Microsoft EdgeはユニバーサルWindowsアプリのため深い階層に格納されており、ビルド10240(Threshold1)では「%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.MicrosoftEdge_ 8wekyb3d8bbwe\AC\MicrosoftEdge\User\Default\Favorites」フォルダーでした。
ただし、ビルド10586では、「%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.MicrosoftEdge_8wekyb3d8bbwe\AC\ MicrosoftEdge\User\Default\DataStore\Data\nouser1\120712-0049\Favorites」フォルダーに変更されています。また、Favoritesフォルダーにはfaviconのアイコンファイルのみを格納し、実際のお気に入りデータはDBStoreフォルダーの「spartan.edb」で管理するように変わりました。
なぜこのような仕様変更が加わったのかは確認できませんが、Internet Explorerなどからお気に入りのインポートを繰り返すと、正しく引き継げなくなる場合があります。そこで今回はMicrosoft Edgeのお気に入りのインポート機能を修正するチューニングをお送りしましょう。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ AppContainer\Storage\microsoft.microsoftedge_8wekyb3d8bbwe\MicrosoftEdgeキーを開きます。
3. FavOrderキーを削除します。
4. レジストリエディターを終了させます。
これで操作が完了しました(図03~07)。
図04 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\Local Settings\Software\ Microsoft\Windows\ CurrentVersion\AppContainer\ Storage\microsoft.microsoftedge_8wekyb3d8bbwe\ MicrosoftEdgeまでキーをたどって開きます |
早速、結果を確認してみましょう。Microsoft Edgeの「お気に入りの設定」からお気に入りのインポートを実行してください。それまで問題が発生していたインポート機能が正しく動作するようになりました(図08~09)。
そもそもFavOrderキー下には、お気に入りのインポート動作を左右するDWORD値「FixupFavOrderDone」が並んでいます。さらにインポートを実行し、Microsoft Edge上でお気に入りを操作していると表示順などを管理するバイナリ値「Order」などが生成される仕組みでした。このあたりを一度クリアすることで、インポート機能が正しく動作します。
前述のとおりMicrosoft Edgeは未完成な部分も多いため、今回のチューニングが今後も正しく動作する保証はありません。少なくともMicrosoft Edgeのバージョン「25.11082.1000.0」では検証済みのため、インポート機能で問題が発生している方は本チューニングをお試しください。その際はFavOrderキーのバックアップを作成することをお薦めします。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)