こんにちは、阿久津です。本誌でも報じられているように、今週はAppleのWWDC 2013(World Wide Developers Conference 2013)一色ですね。筆者はMacintoshを使っていませんが、スマートフォンはiPhone、タブレットはiPadやNexus 7、Surfaceシリーズなどを併用しているため、iOS 7に関しては興味津々。噂どおりフラットなデザインを採用し、各アプリケーションの雰囲気も大きく様変わりしました。

その一方で気になるのがバッテリーの駆動時間。iOSの進化と共にハードウェアリソースをふんだんに利用するようになり、公式仕様で述べられているような待ち時間を維持することができなくなりました。使い方や環境によって異なりますが、半日以上外出する場合はポータブルバッテリーを共に持ち歩く方も少なくないでしょう。

筆者もWWDC 2013キーノートはネット配信で視聴していましたが、iOS 7のプレゼンテーションでは、各アプリケーションがバックグラウンドでデータの送受信を行うマルチタスクを実現したと述べていました。機能自体は目新しいものではなく、逆に消費電力の増加が気になります。同キーノートでは、ネットワーク状況によって更新頻度やタイミングを最適化するインテリジェントスケジューリングなどで消費電力量を抑えるといった説明をしていますが、ますますポータブルバッテリーが欠かせなくなる、と感じたのは筆者だけでしょうか。

いずれにせよ正式公開は2013年秋。既に開発者向けにはベータ版がリリースされたそうですから、そこから漏れ聞こえてくる情報に耳を傾けたいと思います。

さて、Windows 8には、OSの動作パフォーマンスを低下させないために「自動メンテナンス」という機能が追加されました。これは、毎日指定時間(初期状態では午前3時)のアイドル時に実行され、Windows Updateや(Windows Defenderによる)セキュリティスキャン、システム診断などが実行されるというもの。コントロールパネルなどから「アクションセンター」を開き、「メンテナンス」セクションの「自動メンテナンス」に用意された<メンテナンス設定の変更>をクリックすると、その概要を確認できます(図01)。

図01 自動メンテナンスは毎日同時刻に実行されます

加えて自動メンテナンスを自動実行させるには、コンピューター未使用時にスリープを選択しなければなりません。シャットダウンした場合は実行されないため、次回起動時のアイドル時に実行されることになります。すると、いざ使おうとコンピューターを起動し、少しでも放置すると自動メンテナンスが実行されるため、ストレージなどに過度の負荷がかかり、すぐに使えないという有様になってしまうことも(図02)。

図02 自動メンテナンス実行中はアクションセンターのアイコンが変化します

もちろん自動メンテナンスは有用な機能ながらも、これでは意味がありません。たまにしか利用しないノート型コンピューターや仮想マシン上のゲストOSなどは利用可能になるまで数分から小一時間待つことになります。そこで今週は自動メンテナンスの自動実行を無効にするチューニングをお届けしましょう。

1. 管理者権限でタスクスケジューラを起動します。
2. タスクスケジューラライブラリ\Microsoft\Windows\TaskSchedulerと展開します。
3. 「Regular Maintenance」を無効にします。
4. タスクスケジューラを終了させます。

これでチューニングが完了しました(図03~07)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「taskschd.msc」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 これでタスクスケジューラが起動しました。<タスクスケジューラライブラリ>をクリックして展開します

図05 続いて\Microsoft\Windows\TaskSchedulerとクリックして展開します

図06 「Regular Maintenance」を右クリックし、メニューの<無効>をクリックします

図07 これで自動メンテナンスの自動実行が無効になりました。<×>ボタンをクリックしてタスクスケジューラを終了させます

それでは結果を確認……と言ってもタスクが実行されなくなるため、確認のしようがありません。また、上記手順では自動メンテナンスの自動実行タスクを無効にしただけですので、「アクションセンター」から手動で自動メンテナンスを実行することは可能です。なお、ステップ1~4の操作は管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、「schtasks /Change /TN "\Microsoft\Windows\TaskScheduler\Regular Maintenance" /Disable」を実行しても同様の結果を得ることが可能です(図08)。

図08 管理者権限でコマンドプロンプトを起動すれば、「schtasks」コマンドで操作することも可能です

ただし、本チューニングの実行後はWindows Updateの更新情報取得や定期的なセキュリティスキャンなどが自動実行されません。詳しい内容はMicrosoftも説明していないため、どの処理が停止されるか確認できませんが、時間的に余裕がある際に手動実行するように心がけてください。また、元の状態に戻すにはステップ3で操作するコンテキストメニューから<有効>を選択するか、管理者権限で「schtasks /Change /TN "\Microsoft\Windows\TaskScheduler\Regular Maintenance" /Enable」を実行します。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus