こんにちは、阿久津です。それでは前回に引き続き、Windows 7の圧縮フォルダ機能の無効化手順をご紹介します。前回はZIP形式を無効にしましたので、残すはCAB形式とLZH形式ですが、ここで話は少々脱線。
そもそもLZH形式は、MS-DOSが主流だった1980年代に奥村晴彦氏が開発したアルゴリズムをベースに、吉崎栄泰氏が開発した「LHA」という圧縮伸張ツールがスタートライン。国産発とパソコン通信という背景の元に、国内の標準圧縮形式となり、Windows XPでもアドオンという形で提供されたことは記憶に新しいのではないでしょうか。Windows 7の圧縮フォルダ機能もLZH形式に対応していますが、サポートしているのは伸張機能のみで、圧縮機能は未対応です。
ここで興味深いのが英語版のWindows 7。我々が普段から使っている日本語版Windows 7は、前述のとおりLZH形式をサポートしていますが、英語版Windows 7はLZH形式に対応しておらず、関連付けられてもいません。これは主な海外製圧縮伸張ツールが、LZH形式を完全サポート(伸張のみ対応)していないことや、ZIP形式が世界レベルで標準圧縮形式として認知されていることも関係しているのでしょう(図01)。
さて、それではCAB形式の無効化から取りかかりましょう。まずは下記手順をお試しください。
1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディタが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT \ .cabまでキーをたどって開き、同キーを選択した状態で<ファイル>メニューから<エクスポート>を選択します。
3.ダイアログが起動したら、わかりやすい名前を付けてレジストリファイルを保存してください。これでレジストリのバックアップが行なわれます。
4.先ほどの.cabキーを右クリックし、メニューにある<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください。
5.同様の手順で、HKEY_CLASSES_ROOT \ CABFolderキーのバックアップと削除を行ないます。
6.今度はHKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {0CD7A5C0-9F37-11CE-AE65-08002B2E1262}キーを開き、同キーを右クリック。メニューにある<アクセス許可>をクリックします。
7.「~のアクセス許可」ダイアログが起動したら、<詳細設定>ボタンをクリックします。
8.「~詳細設定」ダイアログが起動したら、<所有者>タブにある「Administrators」グループを選択した状態で<OK>ボタンをクリックします。
9.元のダイアログに戻ったら、「Administrators」グループをクリックしてから、「フルコントロール」の「許可」をクリックしてチェックを入れた後、<OK>ボタンをクリックします。
10.同様の手順で、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {0CD7A5C0-9F37-11CE-AE65-08002B2E1262}キーのバックアップと削除を行ないます。
11.同様の手順で、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {DFE49CFE-CD09-11D2-9643-00C04f79ADF0}キーのバックアップとアクセス権限の変更を行なってから、同キーを削除します。
12.今度はHKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Shell Extensions \ Approvedまでキーをたどって開き、ステップ10~11で削除したクラスID名を持つ文字列値があるか確認し、存在する場合は各値を削除してください。
13.64ビット版Windows 7の場合は先の手順を参考に、HKEY_CLASSES_ROOT \ Wow6432Node \ CLSID \ {0CD7A5C0-9F37-11CE-AE65-08002B2E1262}キーと、HKEY_CLASSES_ROOT \ Wow6432Node \ CLSID \ {DFE49CFE-CD09-11D2-9643-00C04f79ADF0}キーのバックアップとアクセス権の変更を行なってから削除します。
14.以上の操作を終えたらレジストリエディタを終了させましょう。
15.<スタート>メニューの電源ボタンメニューから<ログオフ>を選択して、Windows 7に再ログオンします。
以上でチューニング終了です(図02~15)。
図06: 次にHKEYCLASSESROOT \ CABFolderまでキーをたどって開き、図03~04を参考にバックアップを作成してから、CABFolderキーを右クリックし、メニューから<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください |
図07: 今度はHKEYCLASSESROOT \ CLSID \ {0CD7A5C0-9F37-11CE-AE65-08002B2E1262}までキーをたどって開き、図03~04を参考にバックアップを作成してから、同キーを右クリック。メニューから<アクセス許可>をクリックします |
図10: 元のプロパティダイアログに戻ったら、一覧から「Administrators」グループを選択し、「~アクセス許可」の<フルコントロール>をクリックしてチェックを入れてから<OK>ボタンをクリックします |
図11: 先ほどの{0CD7A5C0-9F37-11CE-AE65-08002B2E1262}キーを右クリックし、メニューから<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください |
図12: 続いてHKEYCLASSESROOT \ CLSID \ {DFE49CFE-CD09-11D2-9643-00C04f79ADF0}までキーをたどって開き、図03~04を参考にバックアップの作成と、図06~09を参考にアクセス権限の変更を行なってから同キーを右クリック。メニューから<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください |
図13: 最後にHKEYLOCALMACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Shell Extensions \ Approvedキーを開き、図06~11で行なった各キーの削除と重なるクラスIDが文字列値として残っている場合は各値を削除します。通常は自動的に削除されるので問題ありません |
Windows 7に再ログオンしますと、CAB形式ファイルの関連付が削除されているため、同ファイルのアイコンが白くなっているはずです。また、エクスプローラのナビゲーションウィンドウにも表示されなくなりますので、エクスプローラの動作も若干軽くなります(図16)。
CAB形式を無効にするために削除するキーおよび値
HKEY_CLASSES_ROOT\
.cab\
CABFolder\
CLSID\
{0CD7A5C0-9F37-11CE-AE65-08002B2E1262}\
{DFE49CFE-CD09-11D2-9643-00C04f79ADF0}\
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Shell Extension\Approved\
{0CD7A5C0-9F37-11CE-AE65-08002B2E1262}\
{DFE49CFE-CD09-11D2-9643-00C04f79ADF0}\
CAB形式を無効にするために削除するキーおよび値(64ビット版)
HKEY_CLASSES_ROOT\Wow6432Node\CLSID\
{0CD7A5C0-9F37-11CE-AE65-08002B2E1262}\
{DFE49CFE-CD09-11D2-9643-00C04f79ADF0}\
続いてLZH形式の無効化を行ないましょう。同じく下記手順をお試しください。
1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディタが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT \ .lzhまでキーをたどって開き、先の手順を参考にバックアップを作成してから同キーを右クリックし、メニューにある<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください。
3.同様の手順で、HKEY_CLASSES_ROOT \ LzhCompressedFolder2キーのバックアップと削除を行ないます。
4.同様の手順で、HKEY_CLASSES_ROOT \ Applications \ lzhfldr2.dllキーのバックアップと削除を行ないます。
5.今度はHKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {4F289A46-2BBB-4AE8-9EDA-E5E034707A71}キーを開き、先の手順を参考にバックアップとアクセス権の変更を行なってから同キーを右クリック。メニューにある<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください。
6.同様の手順で、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {58001B57-DC1F-4FAC-AC66-79E214C1A782}キーのバックアップとアクセス権の変更を行なってから削除します。
7.同様の手順で、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {E5BA42A9-BF3F-40B3-978A-CCD306F381A7}キーのバックアップとアクセス権の変更を行なってから削除します。
8.64ビット版Windows 7の場合は先の手順を参考に、HKEY_CLASSES_ROOT \ Wow6432Node \ CLSID \ {4F289A46-2BBB-4AE8-9EDA-E5E034707A71}キーと、HKEY_CLASSES_ROOT \ Wow6432Node \ CLSID \ {58001B57-DC1F-4FAC-AC66-79E214C1A782}キー、およびHKEY_CLASSES_ROOT \ Wow6432Node \ CLSID \ {E5BA42A9-BF3F-40B3-978A-CCD306F381A7}キーのバックアップとアクセス権の変更を行なってから削除します。
9.以上の操作を終えたらレジストリエディタを終了させましょう。
10.<スタート>メニューの電源ボタンメニューから<ログオフ>を選択して、Windows 7に再ログオンします。
以上でチューニング終了です(図17~25)。
図18: レジストリエディタが起動したら、HKEYCLASSESROOT \ .lzhまでキーをたどって開き、図03~04を参考にバックアップを作成してから、.lzhキーを右クリックし、メニューから<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください |
図19: 次にHKEYCLASSESROOT \ LzhCompressedFolder2までキーをたどって開き、図03~04を参考にバックアップを作成してから、.lzhキーを右クリックし、メニューから<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください |
図20: 続いてHKEYCLASSESROOT \ Applications \ lzhfldr2.dllまでキーをたどって開き、図03~04を参考にバックアップを作成してから、.lzhキーを右クリックし、メニューから<削除>をクリックします。確認をうながすダイアログが表示されたら<はい>ボタンをクリックしてください |
CAB形式と同じように、LZH形式の関連付けが抹消されるため、アイコンは白く、エクスプローラのナビゲーションウィンドウに表示されなくなります。後はお好みの圧縮伸張ツールをWindows 7に導入してください(図26)。
LZH形式を無効にするために削除するキーおよび値
HKEY_CLASSES_ROOT\
.lzh\
LzhCompressedFolder2\
CLSID\
{4F289A46-2BBB-4AE8-9EDA-E5E034707A71}\
{58001B57-DC1F-4FAC-AC66-79E214C1A782}\
{E5BA42A9-BF3F-40B3-978A-CCD306F381A7}\
CAB形式を無効にするために削除するキーおよび値(64ビット版)
HKEY_CLASSES_ROOT\Wow6432Node\CLSID\
{4F289A46-2BBB-4AE8-9EDA-E5E034707A71}\
{58001B57-DC1F-4FAC-AC66-79E214C1A782}\
{E5BA42A9-BF3F-40B3-978A-CCD306F381A7}\
そろそろ誌面が尽きてしましたので、バックアップファイル(レジストリファイル)を用いた各圧縮形式の復元方法は次週お送り致します。ご了承ください。
それでは、また次週お会いしましょう。
阿久津良和(Cactus)