こんにちは、阿久津です。2010年最初のWindowsスマートチューニングです。昨年同様、Windows OSをより使いやすくするためのチューニングテクニックをお届けしますので、今年もよろしくお願いいたします。さて、今回のターゲットは「デスクトップガジェット」。Windows Vista移行組には改めて説明するまでもなく、Windows Vistaではガジェット本体と、それを管理するWindowsサイドバーで構成されていました。しかし、Windows 7は管理方法を見直し、サイドバーではなくデスクトップがコンテナの役割を担うように変更されています(図01~02)。

図01: Windows Vistaのデスクトップ。Windowsサイドバーを右クリックすると表示されるコンテキストメニューから操作を行ないます

図02: Windows 7ではデスクトップを右クリックすると表示されるコンテキストメニューから、ガジェットに対する操作を行なうようになりました

また、すべてのガジェットが「sidebar.exe」プロセスによって管理される点は同じながらも、1つのガジェットに対して新規プロセスが発生していた部分は改良され、無駄にプロセス数が増加するようなことはなくなりました。この内部変更に伴って興味深いのが、デスクトップ用コンテキストメニューに用意された<デスクトップガジェットの表示>という項目。

Windows 7では、あらかじめ設定済みのガジェットが起動するか、ユーザーが追加するガジェットを選択するガジェットピッカーを起動した時点でsidebar.exeプロセスが開始しますが、デスクトップ上からガジェットを削除するか、ガジェットピッカーを閉じますと、同プロセスが自動的に終了する仕組みに変更されています。

そこで前述の<デスクトップガジェットの表示>を選択しますと、起動していた同プロセスは終了し、プロセス数や物理メモリ使用量もわずかながら軽減されます。本来はCPU使用率の軽減による省電力化や、プレゼンテーション実行時の操作性を向上させるものですが、メモリ使用量の大きいアプリケーション実行時にも役立つことでしょう(図03~05)。

図03: デスクトップの何もないところを右クリックし、コンテキストメニューから<表示>→<デスクトップガジェットの表示>とクリックします

図04: するとユーザープロセスとして起動していた「sidebar.exe」が表示されなくなります。ステータスバーにあるプロセス数などを鑑(かんが)みると、同プロセスを終了しているのでしょう

図05: こちらは「CPUメーター」のみを起動。sidebar.exeプロセスの消費メモリは7,124KBとなっています

ここで気になるのが、ガジェット実行中に消費するメモリ容量。標準的な環境でガジェットを1つだけ起動しますと、sidebar.exeプロセスの消費メモリは約7MB。そこに4つのガジェットを追加すると約13MBまで増加します。もっとも使用するガジェットによってメモリ消費量は変化し、筆者のメイン環境では「時計」「カレンダー」に加え、Google Calendarの情報を自動取得するガジェットを使用していますが、3アイテムでも消費メモリは約20MBに達していました(図06)。

図06: 「カレンダー」「時計」「天気」「フィードヘッドライン」を追加しますと、消費メモリは12,744KBに増えました

ガジェットに限ったことではありませんが、特定機能で実現する利便性と、コンピュータリソースの消費はトレードオフの関係にあります。また、ガジェットの利便性を踏まえながらも、同機能を使用しないユーザーも少なくありません。そこで今週はガジェット機能を無効にするチューニングをお送りしましょう。

1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディタが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policiesまで、キーをたどって開きます。
3.Policiesキーを選択した状態で、<編集>メニュー→<新規>→<キー>と選択し、名前を「Windows」に変更します。
4.続いて、Windowsキーを選択した状態で、<編集>メニュー→<新規>→<キー>と選択し、名前を「Sidebar」に変更します。
5.右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD(32ビット値)>と選択します。
6.名前を「TurnOffSidebar」に変更し、同DWORD値をダブルクリックしましょう。
7.ダイアログが表示されたら、値のデータを「1」に変更し、<OK>ボタンをクリックします。
8.レジストリエディタを終了させましょう。
9.<スタート>メニューの電源ボタンメニューから<ログオフ>を選択して、Windows 7に再ログオンします。

以上でチューニング終了です(図07~13)。

図07: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を表示し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図08: レジストリエディタが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policiesまで、キーをたどって開きます。続いて<編集>メニュー→<新規>→<キーと>とクリックしてください

図09: 先の手順で作成したキー名を「Windows」に変更したら、同キーの下に同様の手順で新規キーを作成します。名前は「Sidebar」に変更しましょう

図10: Sidebarキーを選択してから、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD(32ビット)値>と選択します。名前を「TurnOffSidebar」に変更してください

図11: DWORD値「TurnOffSidebar」をダブルクリックし、値のデータを「1」に書き換えてから<OK>ボタンをクリックします

図12: 以上の操作を終えたら、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディタを終了します

図13: <スタート>メニューにある電源ボタンのボタンをクリックし、メニューを表示させてから<ログオフ>をクリックしてWindows 7に再ログオンします

再ログオン後にガジェットピッカーを呼び出す項目をクリックしますと、システム管理者にガジェット実行が抑制されている旨を示すダイアログが表示されます。また、ガジェットが起動した状態で再ログオンしますと、メッセージは表示されませんが、ガジェットは起動しません。なお、今回はログオンユーザーに対するチューニングでしたが、コンピュータ全体でガジェットを禁止する場合は、HKEY_LOCAL_MACHINE \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Windows \ Sidebarで、DWORD値「TurnOffSidebar」を作成してください(図14~15)。

図14: 再ログオンを終えたら、デスクトップの何もないところを右クリックし、メニューから<ガジェット>をクリックします

図15: するとガジェットピッカーの起動が抑制されている旨を示すダイアログが表示されます。<OK>ボタンをクリックしてダイアログを閉じましょう

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)