こんにちは、阿久津です。Windows 7の登場が期待される2009年ですが、昨年末から海外では、Windows 7 Build 7000の流出が話題になりました。私も早速スクリーンショットをいくつか見て回りましたが、マイナーアップデート止まりの印象が強まった程度。一部情報筋によると、Microsoft上層部は昨年のWinHECで発表したWindows 7 Build 6801の出来に満足しているらしく、リリース時期を早める可能性が出てきたとか。いずれにせよ、登場するまでには半年から1年ほど先となるため、まだまだWindows Vistaのチューニングは必要になりそうです。

さて、年も明けたことですし、一発目のチューニングは日時調整機能をターゲットにしましょう。読者の方々もご存じのとおり、Windows OSでは以前から、SNTP(Simple Network Time Protocol)を用いてインターネット上のタイムサーバーへアクセスし、自動的に日時調整を行なっています。

Windows Timeサービス(W32Time)によって実現されている同機能は、ユーザーが操作できる設定項目も少なく、同機能の有効化・無効化と、接続するタイムサーバーの選択のみ。そこでレジストリを直接編集する必要性が出てきます。関連する設定項目は、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SYSTEM \ CurrentControlSet \ Services \ W32Time \ TimeProviders \ NtpClientキーに格納されており、10個程度の値が存在しますが、今回は同期タイミングをチューニングするため、対象となるのは、DWORD値「SpecialPollInterval」だけです(図1)。

図1: レジストリエディタで、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SYSTEM \ CurrentControlSet \ Services \ W32Time \ TimeProviders \ NtpClientキーを開きますと、日時同期機能に関する設定を直接編集できます

同値のデータ値を確認すると「604800(10進数)」となっていますが、この数値は秒単位のため、「60(秒)×60(分)×24(時)×7(日)=604800(秒)」という計算が成り立ちます。つまり、初期状態の同期タイミングは一週間間隔ということになりますが、間隔が長すぎるように感じる方もおられるでしょう。そこで同期タイミングを一週間から一日に変更するチューニングを行ないます。

  1. <スタート>メニュー→クイック検索に「regedit」と入力して[Enter]キーを押す。
  2. レジストリエディタが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SYSTEM \ CurrentControlSet \ Services \ W32Time \ TimeProviders \ NtpClientまでキーをたどって開く。
  3. 右ペインになるDWORD値「SpecialPollInterval」をダブルクリック。
  4. ダイアログが表示されたら「10進数」をクリックしてチェックを入れる。
  5. 値のデータを「86400」に書き換えたら<OK>ボタンをクリック。
  6. レジストリエディタを終了し、Windows Vistaを再起動する。
※直接入力の際は、バックスラッシュ(\)前後のスペースを取り除いてください。

これで設定完了です。再起動が面倒な方は「services.msc」を実行し、「Windows Time」サービスを再起動してください。設定後はコントロールパネルなどから「日付と時刻」を起動し、<インターネット時刻>タブにある<設定の変更>ボタンをクリック。表示されたダイアログにある<今すぐ更新>ボタンをクリックしてください。日時同期を終えますと、「次回の同期」に表示される予定日が一週間後から翌日になります(図2)。

図2: 画面左がチューニング前、画面右がチューニング後の「日付と時刻」ダイアログ。ご覧のとおり「次回の同期」にある予定日が翌日になりました

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)