Windows 95以降、一貫してデスクトップの操作を補助してきた「タスクバー」。OSのバージョンアップとともに進化し、Windows 7以降は「ピン留め」という新機能も加わった。ピン留めに関しては前回を参照いただくとして、今回はタスクバーに関する簡単かつ効果的な設定を紹介する。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

タスクバーのボタンサイズを小さくする

タスクバーに並ぶボタンの数には限りがある。例えばデスクトップの解像度が1,366×768ピクセルの場合、通知領域に5つのアイコンとタッチキーボードが有効な場合、だいたい最大で19~20個のタスクバーボタンが並ぶ(各種の設定によって異なる場合はある)。ボタンサイズは60×40ピクセルから少しずつ横に短くなり、最後は52×40ピクセルまで縮む。

そして最大数を超える新しいボタンが加わると(アプリケーション起動やウィンドウオープン)、スクロールバーが現れ、タスクバーの表示内容を切り替え可能になるといった具合だ。多くのアプリケーションを同時に起動して使うようなときは、タスクバーに並べられるボタンは多いほうがいい。

タスクバーに多くのボタンを並べた状態。すべてのボタンを表示しきれない場合、右側に現れるスクロールバーによって、タスクバーの表示を切り替え可能となる

筆者はフルHD(1,920×1,080ピクセル)のディスプレイを縦に回転させて使っているが、その際の横解像度は1,080ピクセルのため、タスクバーのボタン数は最大12個である。ピン留め済みアプリケーションも多いため、数本のアプリケーションを新たに起動するだけであふれてしまう。

そこで試したいのが、タスクバーボタンのサイズを変更する設定だ。「タスクバーとナビゲーションのプロパティ」ダイアログにある「小さなタスクバーボタンを使う」を有効にすることで、文字どおりタスクバーボタンは小さくなる。

タスクバーの何もないところを右クリック/長押しし、メニューの「プロパティ」をクリック/タップする

ダイアログが起動したら、「タスクバー」タブの「小さいタスクバーボタン」をクリック/タップしてチェックし、「OK」ボタンをクリック/タップする

具体的には、44×30ピクセル(から33×30ピクセル)。画面の横解像度が1,080ピクセルの場合、29個のボタンが並ぶことを確認した。ディスプレイサイズによっては視認性や操作性が低下するケースがあるものの、タスクバーのボタン数とはトレードオフの関係にあるため、必要に応じて選択するとよい。

こちらが通常の状態。タスクバーには19個のボタンが並んでいる(デスクトップ解像度は1,366×768ピクセル)

「小さいタスクバーボタン」を有効にした状態。最終的には29個までのボタンを並べることができた

マルチディスプレイ環境向け

最近は1台のPCに複数のディスプレイを接続して、マルチディスプレイ環境を便利に使っている方も少なくない。特に、Windows 8/8.1のスタート画面を一方のディスプレイで一時的に呼び出すようにすれば、使い始めに感じる違和感も減るだろう。

それはさておき、タスクバーに限って見ても、マルチディスプレイ環境の利点は多い。Windows 8.1が複数のディスプレイを検出すると、「タスクバーとナビゲーションのプロパティ」ダイアログには、「複数のディスプレイ」セクションが加わる。

マルチディスプレイ環境の「タスクバーとナビゲーションのプロパティ」ダイアログ。タスクバーボタンの表示先や、他のタスクバーボタンに関する動作を設定できる

このセクションにある「タスクバーをすべてのディスプレイに表示する」を有効にすると、文字どおり各ディスプレイにタスクバーが並ぶ。同時に設定したいのが、「タスクバーボタンの表示先」。こちらのドロップダウンリストから「開かれているウィンドウのタスクバー」を選択すると、前述したタスクバーボタンの混雑具合が軽減されるのだ。

「タスクバーをすべてのディスプレイに表示する」をクリック/タップし、ドロップダウンリストから「開かれているウィンドウのタスクバー」を選択する。最後に「OK」ボタンをクリック

各ディスプレイのタスクバーが並び、通知領域が境界になっている点に注目。アプリケーションのウィンドウを表示しているディスプレイのタスクバーにのみ、そのアプリケーションのボタンが並ぶ

上図は縦に並べた2枚のディスプレイを画面キャプチャーしたものである。通知領域部分を境に、右側のディスプレイ(のタスクバー)には、ピン留め状態にかかわらずアプリケーションのボタンが並んでいることが分かるはずだ。

阿久津良和(Cactus)