【コラム】

Windows 10ミニTips

45 「Microsoft Print to PDF」仮想プリンターは有益か

 

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「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

Windows 10は「Microsoft Print to PDF」という仮想プリンターを備え、これまで以上にPDFファイルの作成が容易になった。しかし、普段からPDFファイルを扱ってきたPC環境ならば、既に使い慣れているPDF作成アプリケーションや仮想プリンターがあるはず。今回はMicrosoft Print to PDFの優位性を考えてみたい。

標準で組み込まれる「Microsoft Print to PDF」とは

Windows 10の新規環境では、自動的に「Microsoft Print to PDF」や「Microsoft XPS Document Writer」などの仮想プリンターが組み込まれる。仮想プリンターとは、本来は物理的なプリンターに送る印刷データを受け取り、何らかのファイルとして出力する機能を持つ。「Microsoft Print to PDF」はPDF(Portable Document Format)ファイル、「Microsoft XPS Document Writer」はXPS(XML Paper Specification)ファイルを出力する仮想プリンターだ。

標準的なWindows 10でインストールされる仮想プリンター群(「Fax」は環境によっては存在しない場合もある)

もともとXPSは、MicrosoftがWindows Vista時代から推進してきたページ記述言語だが、Windows 10はPDFも標準サポートしている。また、PDFファイルはMicrosoft Edgeに関連付けられているため、作成後もそのまま閲覧することが可能だ。

例えばMicrosoft Edgeであれば「…」→「印刷」と順にクリック/タップすると現れるダイアログから「Microsoft Print to PDF」を選択する

こちらは「その他の設定」を選択した状態。印刷の向きや用紙サイズの選択が可能だ

先述のとおり、以前からPDFファイルの作成を業務などで行ってきたユーザーであれば、既に独自のPDF作成アプリケーションや仮想プリンターを使っているケースが多い。これまで使っていた仮想プリンターを選択すべきか、Microsoft製の仮想プリンターを選択すべきか、迷うこともあるだろう。

どちらの仮想プリンターがお得?

下図はMicrosoft Edgeで同じWebページを、「Adobe Acrobat DC」の仮想プリンター(Adobe PDF)とMicrosoft Print to PDFでPDF化し、Adobe Acrobat DCでプロパティ情報を確認したものだ。あくまでデフォルト設定ではあるが、こうして並べるとPDFのバージョンやファイルサイズ、ページサイズなど異なる点が多い。

Adobe PDFで作成したPDFファイル。サイズは約481Kバイト

Microsoft Print to PDFで作成したPDFファイル。サイズは約1.08Mバイト

まず、PDFのバージョンはAdobe版が1.5、Microsoft版が1.7となっている。一見するとISO 32000-1:2008として国際標準化されたバージョン1.7の方が正しいように見えるが、互換性とセキュリティのバランスを考えるとバージョン1.5程度がちょうどいい。

Adobe PDFの場合、「デバイスとプリンター」に並ぶ同名のアイコンを右クリック/長押しし、「印刷設定」をクリック/タップすれば、PDFファイル作成設定を変更できる

次に気になるのは縦横サイズだ。いずれもA4サイズを指定しているが、Microsoft版は横サイズが209.8mmと、A4サイズ短辺の210mmから0.2mmほど小さくなるようだ。余白や拡大/縮小といった設定を変更してみたが、結果は同じだった。

また、ファイルサイズと「Web表示最適化」の有無も気になる。後者はLinearized(リニアライズド)PDFというデータの再構成を経て、PDFファイルを作成するというものだ。具体的には、ダウンロード時にページ単位のダウンロードを可能にするByteserving(バイトサービング)を有効にするため、手元に保存する用途でPDFファイルを作成する場合、必ずしも必要とは限らない。

ページ数的に少ないながらも、ファイルサイズが約2倍になるMicrosoft版は少々厳しい。だが、その内容を見比べてみると、Microsoft版の有益な面も見えてくる。

Adobe PDFで作成したPDFファイルの後半ページ。用紙からはみ出した部分が正しく出力されていない

Microsoft Print to PDFで作成したPDFファイルの後半ページ。Adobe版と比べると見栄えがよい

上図のように記事後半ページの再現性はAdobe版よりもMicrosoft版の方が高いのだ。もちろんWebページをPDFファイルとして保存する場合は不要な部分となるため、あまり重要とは言えない。だが、複数の仮想プリンターを持つ環境では、Microsoft Print to PDFを利用する意義もあることが確認できた。

阿久津良和(Cactus)

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インデックス

連載目次
第94回 OneDriveの同期を止めたいが、OneDriveクライアントが終了できない?
第93回 OneDriveが使うネットワーク帯域を調整する
第92回 ライブラリを使いこなす
第91回 Windows 7のライブラリを復活させる
第90回 Microsoft Edgeをショートカットキーで快適に操作する
第89回 システムの復元が動作してない? → 有効にする
第88回 ウィンドウの自動整列機能を一時的に無効化する
第87回 Internet Explorer 11を既定のWebブラウザーにする
第86回 Microsoft Edgeをコマンドラインから起動する
第85回 UWP版「電卓」をショートカットキーで便利に使う
第84回 誰も使わない? Wi-Fiセンサーを無効にする
第83回 クイックランチャーをタスクバーに復活させる
第82回 Microsoftアカウントの表示名を変更する
第81回 バッテリーの持ちが悪い? 電力を消費するアプリを確認する
第80回 コントロールパネルの項目(アプレット)をスタートメニューにピン留めする
第79回 ジャンプリストを使ってコントロールパネルの項目を素早く呼び出す
第78回 検索ボックスのエンジンを、Google ChromeやFirefoxを使って変更する
第77回 Win10 PCが謎の再起動、原因のひとつにメモリーを疑う
第76回 仕組みが変わったOneDriveの共有設定
第75回 Wi-Fiのパスワードを忘れてしまったら
第74回 意外と知らない? デスクトップでスライドショー
第73回 UACプロンプトを表示させずに管理者権限でアプリを起動する
第72回 オンライン版とオフライン版のトラブルシューティングツール
第71回 起動しないWindows 10の修復を試みる - 「sfc」コマンドを使う
第70回 起動しないWindows 10の修復を試みる - 回復ドライブの利用
第69回 起動しないWindows 10の修復を試みる - 回復ドライブの作成
第68回 既存アカウントのユーザーフォルダー名を変更する
第67回 ユーザーアカウントの正しい作成方法
第66回 クイックアクセスの履歴をクリアする&無効にする
第65回 「緊急の再起動」 - 電源ボタン前の最終手段?
第64回 SSDの速度低下を抑制する「Trim」コマンドを調べてみる
第63回 Wi-Fi接続設定へのショートカットをデスクトップに作成する
第62回 Windows 10でインターネットショートカットファイルを作成する
第61回 Windowsスポットライトのロック画面に現れる(らしい)広告を無効にする
第60回 マルチディスプレイ環境の壁紙を使いこなす
第59回 意外と知らない? Windows 10の壁紙を設定する方法
第58回 Windows 10の「バッテリー節約機能」を知る
第57回 電源コマンドを使ってPCの「モダンスタンバイ」対応を確認する
第56回 エクスプローラーに表示されていた「リンク」はどこへ?
第55回 Windows 10で「休止状態」を使う
第54回 Microsoftアカウントの2段階認証は有効にすべき? - 後編
第53回 Microsoftアカウントの2段階認証は有効にすべき? - 前編
第52回 Adobe Flash Playerを無効にする - Firefox&Chrome編
第51回 Adobe Flash Playerを無効にする - IE&Edge編
第50回 OneDriveの同期設定をリセットしてメンテナンス
第49回 インストール済みユニバーサルWindowsアプリの保存先を変更する
第48回 Internet Explorer 11をWindows 10から取り除いてみる - その影響は?
第47回 Windows 10で古いNASにアクセスできない症状の処方箋
第46回 仮想プリンターをWindows 10から取り除く
第45回 「Microsoft Print to PDF」仮想プリンターは有益か
第44回 仮想メモリーを別ドライブに移動させる
第43回 「デバイスキャスト」はどうやって使う?
第42回 「割り当てられたアクセス」って何だろう
第41回 Microsoftへのフィードバック頻度と送信データを見直す
第40回 あの設定はドコ? - 各所に散らばる設定項目
第39回 あの設定はドコ? - パスワードリセットディスクを作るには
第38回 あの設定はドコ? - デスクトップやテーマに関する項目
第37回 あの設定はドコ? - Windows Update更新プログラムの再表示など
第36回 Windowsスポットライトの画像を保存したい
第35回 「更新とセキュリティ」画面の「開発者向け」って何だろう?
第34回 メディアクリエイションツールを使ってWindows 10を最新版にする
第33回 OneDriveの「自動保存」機能を検証
第32回 Windows 10のアプリを黒く染める
第31回 不要なアプリは削除しても大丈夫? 簡単にできる再インストール
第30回 更新プログラムを手動インストールに切り替える
第29回 任意の更新プログラムがインストールされるのをストップする
第28回 インストール済み更新プログラムの内容を知りたい
第27回 チェックディスクの結果を詳しく知る
第26回 Windows 10のPIN(暗証番号)は何桁まで設定できるか
第25回 仮想デスクトップ、こう使う
第24回 システムファイルをコマンドラインから圧縮する
第23回 タスクマネージャーの「スタートアップ」タブを直接開く
第22回 ユーザーアカウントの画像をリセットする
第21回 ユーザーアカウントの画像履歴を削除する
第20回 Windows Updateを最適化する - 複数の場所から更新する
第19回 Windows Updateを最適化する - アップグレードの延期
第18回 セーフモードの呼び出す●つの方法
第17回 「ファイル名を指定して実行」を開く●つの方法
第16回 「場所」と「場所の保存」はどちらを使うべき? - 検証編
第15回 「場所」と「場所の保存」はどちらを使うべき? - 基本編
第14回 タスクバーの気になるボタンをカスタマイズ
第13回 アクションセンターとクイックアクションのカスタマイズ
第12回 スタートメニューのカスタマイズ - タイルサイズとアプリ編
第11回 スタートメニューのカスタマイズ - よく使うアプリ編
第10回 スタートメニューを使う : スタートメニューのサイズを変更する
第9回 スタートメニューを使う : スタートメニューとスタート画面
第8回 サインインのパスワードをリセットする
第7回 PIN(暗証番号)を再設定する
第6回 ウィンドウフレームの配色を自由に変更する
第5回 デスクトップの背景色を自由に変更する
第4回 標準Webブラウザーを変更する
第3回 Internet Explorer 11を常用するには
第2回 Windows 10から以前のWindowsに戻る - Windows 7編
第1回 Windows 10から以前のWindowsに戻る - Windows 8.1編

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