スマートフォンやタブレットと連動させて遊ぶ次世代オモチャ、スマートトイ。専用アプリを用いることで今までにはないオモチャの楽しみ方が広がってきている。そんなハイテクオモチャを子供だけに遊ばせるのはもったいない! ということで、大人も楽しめる、いや大人こそ楽しみたい次世代ハイテクトイを紹介する連載、始めます。

第8回 販売価格
Parrot Flower Power 税別6,800円 製品ページ
Parrot Flower Power用アプリ App Store / Google Play


植物の環境をスマホでモニター

「うさぎって寂しいと死んじゃうんだから…」。90年代のドラマ「ひとつ屋根の下」で、とある女優さんが放った名台詞だ。もちろん、うさぎは寂しくても死なない(基本的には単独行動の動物である)。それ以前に、寂しいという感情があるかも微妙だが、ひとつ屋根の下、ベランダで育てている植物は放っておくと確実に枯れてしまう。

「お花って水と肥料がないと枯れちゃうんだから」。女性からこう言われたら、美味い酒や料理をおごれ、もしくは高い化粧品を買え、というような意味だろう。うっかり、「切り花でもしばらくはキレイだろ」などと言ってはいけない。

ただ植物の場合は、水も肥料もただ与えれば良いわけではなく、適切なタイミングや量が決まっている。彼らは「もうお腹いっぱい」とか言わず、無言で枯れていく。

「Parrot Flower Power(以下・フラワーパワー)」は、植物に必要な水分や肥料、温度、光量をセンサーでモニターするデバイスだ。植木鉢やプランターに本体を設置し、Bluetoothでデータを送信し、スマートフォンやタブレットで確認することができる。実際に使ってみて10日ほど経過したので、使用感をレポートしていこう。

さすがフランスのメーカー、おしゃれなパッケージ。ガーデニングが好きな人へのプレゼントに最適。植物の鉢とセットでプレゼントしてもいいだろう

開封したところ。植木鉢をかたどった容器は丈夫な紙製で、底に穴が空いており、短期間なら植木鉢としても使用できそうだ

本体の長さは約20cm。色はブルー、ブラウン、グリーンの3種類が選べる。黒い金属の二股に分かれた部分にある2つの丸が肥料濃度を検知するセンサー、二股の先が湿度を検知するセンサーだ。温度センサーは本体の地上に出ている部分の中にある

電源は単4アルカリ電池1本(製品に同梱)。通信規格に低消費電力の「Bluetooth SMART」を採用したことで、約6か月間使い続けられる

緑色に光っている部分は日当たりセンサー。日光や部屋の照明をモニターし記録する

同梱されている植物の種、ではなく取扱説明書。日本語を含む8つの原語で記載されている

スタートは簡単。だが、データが送られるまで1日待つ必要がある

フラワーパワーを使用するには、専用アプリ「Parrot Flower Power」をスマートフォンにインストールする。アプリはもちろん無料。データの保存や解析は専用のサーバーを使用するが、月額の使用料なども発生しない。

アプリをインストールしたら、アカウントを登録し、フラワーパワーとBluetoothで接続する。接続自体は、あっけないほど簡単だ。

アプリを起動。始めて使用する場合は、「登録」を選択

登録する情報は、メールアドレスとパスワード、ユーザーネームのみ

アプリのガイダンスに従って本体を植木鉢などに設置する

根っこを切らないようにフラワーパワーを土に突き刺す。IPX5・IPX7の防水性能があるので上から水をかけても問題なし

アプリがフラワーパワー本体を認識した。ひとつのアカウントで、最大256本のフラワーパワーを管理できる

「Plant DB」は7000種類以上の植物を収録したデータベース。説明やお手入れ方法も詳しく解説された植物図鑑で、もちろん日本語化されている

次に、植物を登録する。登録した植物の特性に応じて、水やりや温度など、適切なアドバイスが得られる仕組みだ。ちょうどベランダにあった観葉植物の「ポトス」を登録しようとするも、最初データベース(Plant DB)で見つけることができなかった。しかし、ポトスの学名「Epiremnum aureum」で発見。和名は「オウゴンカズラ」とある。説明文を読むと、[かつては「ポトス属」に分類されていた名残で、園芸上はポトスと言われている]と。なるほど!

育てている植物が見つかったら登録。写真やニックネームはオリジナルのものを使用できる

フラワーパワーを登録しても、すぐにはデータは送られてこない。データを分析するのに約1日程度待つ必要がある。

無口な植物に代わって要求を通知してくる

翌日。フラワーパワーからポトスのデータがiPhoneに送られてきた。正確には、フラワーパワーからBluetoothで送られたデータはインターネット経由でサーバーに行き、分析された結果がスマホ上に反映される。ちなみに気になる通信距離だが、ベランダに設置した鉢から、いちばん近い部屋、その隣にあるリビングまでは電波を拾ったが、さらに離れた部屋では圏外になった。ま、Bluetoothだからしょうがないね。

ポトスに必要な養分と環境。詳細な数値でなくアイコンで表示されると生育に必要な環境を感覚的につかめる

スマホやタブレットとの通信はBluetooth。リアルタイムでデータを表示するライブモードも搭載

日数が経つにつれて、各データの折れ線グラフが充実してゆく。グラフの表示単位は、1日、1週、1月、3月、6月、1年。そして、リアルタイムにデータを表示するライブモードがある。温度はこの季節(11月)でも、下は12度から上は35度まで意外と寒暖差があることがわかった。人間なら「暑い」「寒い」とうるさくてかなわないだろう。

水量、肥料、温度、光量のアイコンは、適量ならばグリーンで、不足や過多ならオレンジや赤で表示される

そして、無口な植物を代弁してフラワーパワーが、水が足りない、肥料が足りないと、たまにアラートを送ってくる。まるで、「植物って寂しいと死んじゃうんだから」と言われているようだ。

植物によって必要な水量、日当たり、温度、肥料が異なるため、それぞれに応じたアラートが出される

日々の水やりは予定表に組み込まれているので忘れない

ポトスは丈夫でかなり育てやすい部類に入ることもあって、それまで放置気味だったが、フラワーパワーの導入でちゃんと世話をするようになった。液体肥料を施してもまだ足りないと言われたので、新しい土に植え直しもした。すると今度は……。

肥料が足りないと言われたので、養分の多い土に植え直した。すると今度は……

「肥料が多すぎ」との表示が! 指示に従って水で洗い流す。「美味いもの食べたい」と言われてレストランに連れて行ったら、「この料理、カロリー高すぎるわ」とクレームを受けた気分だ(笑)。ガーデニングと女心は難しいですね。

とまぁ、なかなか厳しいのだが、これで放置して枯らす心配はなくなった。来春になったら、より生育環境を整える必要がある野菜でも使ってみたい。

ガーデニングは毎回危機の連続。マイカイキキ……